初めての光景に、思わず目を疑いました。9月29日。甲子園では午後1時からバットを振る音が響いていました。ホーム恒例の早出練習。そこで、不振に苦しむ佐藤輝がトスバッティングを行っていました。

他の選手であれば普通の練習風景なのですが、佐藤輝にとっては違います。タイガースに入団した今年の1月から練習は注視してきましたが、キャンプでの練習メニューの一環で行ったことはあれ、佐藤輝がトス打撃をする姿を見るのは初めてだったからです。

試合前はいつもスタンドにボールを置いて行う、通称「置きティー」で感触を確かめフリー打撃に向かいます。「自分の感覚を確かめる。(球が)動かないので感覚を確かめるために置きティーは好きですね」とこだわっていた練習法でした。もちろん、時間があったからこそティー打撃を取り入れてみたのだと思います。その後の全体練習では置きティーで汗を流す姿がありました。

1日の中日戦前時点でプロ野球の野手記録、54打席連続無安打。何とかしようという必死さが日々の練習から垣間見えます。前を向き、進み続けている佐藤輝の復活が待ち遠しいです。