守備の向上が打撃にもつながる…。ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)は、2軍で外野守備にも磨きをかけている。


東京五輪で金メダルに輝いた侍ジャパンで外野守備走塁コーチを務めた清水雅治2軍野手総合コーチ(57)が、ルーキーの守備力、2軍での練習姿勢について語った。


一流は打撃だけでなく守備も。佐藤輝が外野守備でもレベルアップを目指している。19年にヘッドコーチとして阪神に入団するまで、パ3球団で外野守備走塁一筋で教えてきた清水2軍野手総合コーチは「俺は外野(守備)は物足りんと思う」と熱を込めて語り始めた。


清水コーチ「内野は集中してるように見えるんだけど、外野は守備に意識があまりないよね、と本人に言った。チームに何が必要か考えて、特に守備だと。打者の意識を考えて、自分でポジショニングを変えるとか。それが本当の野球選手じゃないのかなと話した」


東京五輪では外野守備走塁コーチで、ソフトバンク柳田、広島鈴木誠らと戦った。どの選手もやはり、守備も高レベル。攻守で一流になれる素材と確信するからこそ、佐藤輝にも求める。


清水コーチ「守備に意識がいくとバッティングも上がるんじゃないかと思っている。もう侍のコーチじゃないけど、侍に選ばれる器は十分ある。そういう選手だから、選ばれた時に困らないように意識している」


昨季まで1軍ヘッドコーチとして矢野監督の参謀役を担った。指揮官の指導方針が染みついているから、コミュニケーションは一方通行にならない。


清水コーチ「矢野監督に教わったことだけど、一方的に言うんじゃなくて、本人にどうしたいか言わせて、導くのが指導者の役目。(佐藤輝は)すごく素直な目で『いい顔してんな』といつも言うんだけど。人が言った時にはすごく素直に、なんのひねくれもなく聞いてくれる」


キャッチボールでじかに受け、感じたことを伝える場面もあった。佐藤輝も「守備をしっかりやればいい方向にいくんじゃないか。いろいろ勉強してます」と意識は高い。守備の向上で生まれた心の余裕が、打撃につながることもあるはず。ルーキーは着実に刃を研いでいる。