話題をさまざまな角度から不定期で提供する企画「Tigers・Club・House」。今回は、遊撃のレギュラーとして走攻守でチームを支えているドラフト6位・中野拓夢内野手(25)の地元である山形・天童市の盛り上がりを紹介。1年目から大活躍のルーキーを故郷の『大応援団』が後押しする。

■市内各所に横断幕や応援旗が

躍動を続けるルーキーに地元も盛り上がりを見せている。リーグトップの22盗塁を記録するなどチームに不可欠な存在となっている中野。出身地の山形・天童市の応援も熱いものがある。

地元では有志の人たちが横断幕や応援の旗を作成。市の公共施設や商店など市内各所に設置されている。さくらんぼやぶどうなどを栽培している「王将果樹園」にも旗が置かれており、5月末にはバットの素材でもあるアオダモの木が植えられた。同園の矢萩美智社長は中野の父・茂明さんと親交があり、ドラフトで指名されたときにお祝いの看板も設置した。

「活躍するごとに地域が盛り上がっていっている。山形県全体ではまだ知名度がないので、頑張っている選手がいるというのを地元から発信できたらと思っています」

矢萩社長は『おらが街』のヒーローのPR活動に、余念がない。

天童北公民館でも、のぼり旗を作成。10月までに市内の各地に設置してもらうようにお願いしており、街を挙げての応援となっている。

■父・茂明さん「阪神ファンが増えました」

父・茂明さんは「こういうふうになると思っていなかった。1年目だから、とりあえず1軍にいれば…としか思っていなかった」としみじみ。地元について「以前は巨人ファンが多いかなという印象でしたが、阪神ファンが増えました」と喜んでいた。

市の広報誌も、地元小学生からの「中野選手、がんばってください。目指せ、盗塁王!期待しています」といった応援メッセージを掲載。憧れの存在になっていることに市の担当者も「地元の子どもたちの目標になってくれるような活躍を、ずっとしてくれたらいいなと思います」とエールを送っていた。

天童市のスターとなりつつある中野。故郷からの応援も力にして、16年ぶりのリーグ制覇に貢献する。