桑原謙太朗投手(35)が20日午後、西宮市内で会見を開き、今季限りで現役を引退することを明かした。「肩肘ともに痛みとやっていく中で、どうしても思い通りにはいかず、つらく感じだしたのが一番の(引退の)理由」と語った。


「リリーフカーでマウンドに上がる時にすごい応援してくれて『すごいな』という印象で、最初投げた記憶があります。当時、17年ですけど、頑張れという声をかけてもらったのは覚えています」。大歓声でリリーフのマウンドに送り出してくれたファンへ感謝を述べた。


17年シーズンは勝利の方程式の一角として43HPを挙げ、最優秀中継ぎに選ばれた。「真っスラ」と呼ばれた、わずかに変化する球で打者を手玉に取り、チームを2位に押し上げる原動力となった。「それまで何も活躍できず、金本監督に抜てきしていただいて。自分の中では精いっぱいやったというのがあの年だったかなと思います。自分の中でも上出来以上ですね」と当時を振り返った。


だが、ここ数年は右肘痛にも悩まされ、今季は開幕1軍で迎えたが7試合で7失点。防御率9・00と本来の力を出せていなかった。2軍戦も登板はわずか4試合にとどまっていた。


「(8月28日の四国IL・徳島との)練習試合に投げさせてもらって、ほとんどまともに投げられなかった。もう、駄目だなと思って決断しました」


横浜、オリックス、阪神と3球団渡り歩いてきた苦労人が14年間のプロ野球生活に終止符を打つ。