阪神が今秋のドラフト会議で投手を1位指名する方針であることが17日、分かった。候補は小園健太投手(18)、森木大智投手(18)、黒原拓未投手(21)、佐藤隼輔投手(21)、隅田知一郎投手(22)の5人。昨年は野手の佐藤輝を1位指名しており、2年ぶりとなる投手1位指名で常勝軍団の礎を築き上げる。


虎のドラフト戦略が明らかになった。今秋、ターゲットに絞ったのは高校生右腕2人と大学生左腕3人。競合も予想される中、19年・奥川以来、2年ぶりに投手を1位指名する方針だ。


高校生では小園と森木を最上位にリストアップ。小園は最速152キロのスピードだけでなく、高校生離れした投球術が魅力で、渡辺スカウトは「真っすぐも変化球もいい。ストライクが簡単に取れる」と完成度の高さを評価。森木も最速154キロを誇る剛腕で、担当の山本スカウトは「当然、1位じゃないと取れない素材」とポテンシャルの高さを絶賛していた。


2人は夏の甲子園出場こそ逃したが、風間と合わせて「高校ビッグ3」の呼び声が高い。阪神は14日に森木、16日に小園との面談を済ませており、着々と準備を進めている。


大学生左腕では最速151キロを誇る黒原、佐藤、そして最速150キロの隅田が候補に挙がる。中でも評価が急上昇しているのが隅田だ。


11日の九州地区野球選手権北部地区ブロック大会・久留米工大戦で、隅田は9回3安打1失点、12奪三振で完投。阪神は畑山統括スカウト、和田TAら3人態勢で視察に訪れ、担当の前田スカウトは「押したり引いたり、いろんな投球ができる。上位は間違いない」と最大級の評価を口にした。


今季の阪神は左腕不足に悩まされた。左投手の先発勝利はルーキー・伊藤将の7勝とチェンの1勝のみ。期待の高橋は開幕からケガで出遅れ、伸び盛りの高卒2年目・及川はチーム事情から中継ぎに専念。将来性豊かな高校生右腕と共に、即戦力左腕は喉から手が出るほどほしい存在だ。


昨年は即戦力重視で臨み、4球団競合の末、ドラフト1位・佐藤輝を獲得。同2位・伊藤将、同6位・中野も1軍戦力となるなど、大成功を収めている。16年ぶりのリーグ優勝へ突き進む中、運命の「10・11」まで3週間あまり。チームの戦いと並行して、1位の絞り込みも進められていく。