11試合連続無失点中の岩崎優投手(30)が、台風14号の接近で中日戦が中止となった17日、このまま無失点でシーズンを終えることを誓った。昨季限りで現役を引退した藤川球児氏(41)の「フィニッシュ・ストロング」精神を受け継ぐブルペンリーダー。2ゲーム差に縮めてきた2位ヤクルト、3差に開いた3位巨人を振り切り、虎をVへ導く。


泣いても笑っても、残り31試合。台風14号の接近により中日戦が中止となった甲子園室内で、岩崎は決意を新たにした。


「昨年まで(藤川)球児さんがよく『フィニッシュ・ストロング』という言葉を使っていて。すごく大事なことだと思っています。最後は、良い状態で終われるようにしたい」


フィニッシュ・ストロング。直訳すれば「終わりよければ、すべてよし」。好結果で終われば、すべての努力や苦労が報われる、という意味だ。尊敬する藤川氏が2013年から2年間、米大リーグ・カブスに在籍した際、クリス・ボジオ投手コーチから教えられた言葉で、岩崎は「それを意識して取り組んできた」と力を込めた。


今季も絶対的セットアッパーとして45試合に登板して、防御率2・61。前半は不調で2軍降格の屈辱もあり、納得のできる数字ではなかった。だが、東京五輪の日本代表メンバーに選ばれ、稲葉ジャパンの金メダルに貢献。その勢いのまま、後半に入ってからは11試合連続無失点中だ。


15日のヤクルト戦では0-1とリードされた展開の八回に登板。残り試合も少なくなり、優勝争いが佳境に入れば、状況次第では当然、連投やイニングまたぎも考えられる。


「難しい場面(での登板)もあるかもしれないですが、しっかり目の前のバッターを抑えられるように。しっかり0点でベンチに帰ってくることは変わらない」


無失点ピッチを継続して、シーズンをフィニッシュ。プロ8年目で初の栄冠をつかみとる。


★リーダーの自覚藤川氏が引退後、岩崎は救援陣のリーダーとして、1軍に定着した及川、小川らの兄貴分であり、よき相談相手でもある。「(小川)一平とか浜地は、よく聞いてきたりしますね。サポートできることがあればと思って、バッターの自分なりの印象を伝えたりはしますけど、難しいですね」と頭をかいた。優勝に向けて、ブルペン陣が結束して戦っていきたいか、という質問には「もちろん、そういう気持ちはあります」とキッパリと言い切った。