優勝マジック(M)が点灯しました。と言っても、隣にある2軍の話です。


平田2軍監督率いる若トラたちはこの日、甲子園球場で2-1でソフトバンクを破り、ウエスタン・リーグの首位を奪回。残りはともに9試合で直接対決がないため、2位に落ちたソフトバンクは自力優勝の可能性が消滅。阪神の2軍に優勝M「9」が灯りました。


「そんなことは言うな!!」


トラ番・菊地峻太朗によると、試合後、優勝Mのことを質問された平田2軍監督は、笑いながら怒ったそうです。


「残り9試合で優勝マジック『9』ですからね。きょうは守備でミスもあったので締めなきゃいかんと、そこは真剣に怒ってはりました」


紙面総括の運動部長大澤謙一郎も「阪神の2軍は18連勝したのに、きのう(15日)連勝を止められたら2位に落ちた。ソフトバンクの2軍はどんだけ強いんやって思ったもんな。油断はできん」とうなずいています。


「ただ、全勝マジックとはいえ、こういう話が出てくると、シーズンが最終盤に入ったんやなと実感しますね。パ・リーグは、きょうはオリックスが踏ん張った(楽天に逆転勝ち)けど、ロッテが18日にも優勝マジック点灯という状況です。1軍の阪神にも点灯してほしい」


大澤はそう言いますが、セ・リーグはまだ先が長い。阪神は17日から中日2連戦のあと、そのまま甲子園で巨人戦を1試合だけ戦うこれまたシーズン終盤ならではの変則日程。この間、17、18日は巨人とヤクルトが東京ドームで『つぶし合い』をしてくれます。


その日程をみながら、虫のいい計算をしてみました。17、18日を巨人とヤクルトが1勝1敗で阪神は中日に連勝して、そのあと、阪神が19日の巨人戦を含めて勝ち続け、巨人とヤクルトが19日以降負け続けたら…。阪神優勝M点灯は最短で24日です。


ちなみに、巨人にとっての虫のいい計算をすると巨人の最短優勝M点灯は25日。ヤクルトは残り試合数が一番多い関係もあって阪神より早い22日。展開次第で3球団それぞれに今月中に優勝Mがつく大混戦ですから、たぶんそんなことは起きませんが…。


そんな中、「光」も見えました。2軍に落ちてからも快音が聞かれなかった佐藤輝が、この日は2安打。初のマルチ安打を記録しています。


「1本目は速いゴロ打球で一、二塁間を破りました。2本目はライナーで右前に弾き返しました。2本ともいい当たりでしたよ」


甲子園の記者席で見ていた菊地の報告です。


「試合前には井上ヘッドコーチも来て、指導してはりました」


佐藤輝が2軍に落ちたあと、他の選手との競争だと強調していた井上ヘッド。結果を出すことを強く求めている姿勢に変わりはありません。優勝M「9」を点灯させた2軍は17日からナゴヤ球場で中日と3連戦。佐藤輝の最短復帰は、1、2軍ともに試合がない20日で、1軍は21日からバンテリンドームで中日3連戦です。


「ちょうどいい日程なんです。ナゴヤ(の2軍戦)で結果を残して、そのままバンテリンドームに合流してくれないかな」


サトテル番・原田遼太郎は名古屋にいく準備はしていますが、その次の山口・由宇(広島の2軍と3連戦)への切符は手配していません。原田の願いがかなう状況になれば、1軍の優勝M点灯も近づいてきます。ガンバレ、佐藤輝。強いソフトバンクからマルチ安打した。あとは打球を上げるだけだ。