近本光司外野手(26)が16日、好投手との対戦が続く中日2連戦&巨人戦を前に意気込みを語った。両リーグ最速で140安打に到達し、打率・311はリーグ4位。目下、絶好調の虎の切り込み隊長は球団初となる首位打者&最多安打の同時獲得も視野に入ってきた。この男の一打が、苦難続きのVロードを明るく照らしていく。


台風14号の日本列島接近も気になる今週末。阪神は試練とも言える3連戦を迎える。17日からの中日2連戦の先発は大野雄、柳のツートップ、そして19日の巨人戦はエース・菅野が先発マウンドに上がる予定だ。


球界を代表する一線級投手が首位を行く虎の前に立ちはだかる中、その突破口として期待されるのが目下、絶好調の近本だ。完封負けを喫した15日のヤクルト戦でも孤軍奮闘。すべてイニングの先頭打者として3安打を放ち、キャリアハイにあと1と迫る今季12度目の猛打賞を記録した。


9月に入ってやや調子を落とした時期はあったが、後半戦の打率は・372。再び上昇カーブを描いてきた虎のリードオフマンには球団初の偉業達成も視野に入ってきた。


近本は両リーグ最速で140安打に到達し、打率・311でリーグ4位に浮上しているが、最多安打&首位打者のWタイトル獲得となれば球団初の快挙となる。


好投手との対戦を前に「相手に関係なく、落としていい試合は一つもない」と強い思いを示した背番号5。「自分たちのやるべきことをやり、チーム一丸となって試合に臨んでいきたい」と選手会長らしい言葉も残した。


菅野に対しては通算打率・367、2本塁打と得意にしており、大野雄に対しても同・268とまずまず。ポイントは通算で打率・206、今季は7打数無安打に抑え込まれている柳との対戦か。


矢野監督は「近本が出られなくても中軸で何とか点を取ったり、下位でかえしていけば勝てるわけだから」と強調。「まずバッテリーが粘りながら、打線が少ないチャンスをものにできるか。誰か一人がやってということではない。それがより必要な投手になる」と好投手相手だからこそ、近本と同じく引き続き全員野球の必要性を説いた。


三つどもえのV争いでそろそろ抜け出しを図りたい矢野阪神。中日は1週間前に巨人相手に連勝を決めるなど好調が続く。近本を起点とした攻撃で揺さぶり、まずは竜退治で勢いに乗る。