「阪神、ダントツですよ」


紙面総括の酒井哲也局次長兼レース本部長が、メモ書きの『セ・リーグ勝敗表』を手に話しかけてきました。不思議な数字が並んでいます。


①神…187

②ヤ…165

③巨…171

④中…143

⑤広…136

⑥D…137


これ、何?


「この前、マイナス0・5ゲーム差で2位に落ちたじゃないですか。勝利数は一番多いのになあ、とモヤモヤしたんです。プロ野球は勝率で順位を決めるルールだから仕方ないですけど、延長戦なしの今季だからこそ、納得ができなくて」


Jリーグサッカーの「勝ち点方式」(勝利3点、引き分け1点)で計算してみたのだそうです。すると、12日の試合前時点で阪神は61勝44敗4分けだから、61勝×3の「183」と4分け×1の「4」を足して「187」。同様の計算でヤクルト(51勝40敗12分け)は「165」、巨人(52勝43敗15分け)は「171」になります。


「余裕の1位です。勝率で計算すれば、阪神3連敗、ヤクルト3連勝で逆転されますけど、Jリーグと同じ順位決定法なら、7連敗と7連勝でも抜かれないんですよ」


酒井は「野球は勝率で決めるからこうはいかないけど」と繰り返しながら「それにしても、阪神はなぜこんなに引き分けが少ないんですかね」とぼやいています。


「投手がいいから」


解説(?)を買って出たのはベテランの編集委員三木建次です。


「開幕から、先制した試合は16戦負けなしやった。抑えのスアレスは1敗しかしていない。中継ぎも良かった。追いつかれることが少なかった。顔ぶれは少し変わったけど、先発もずっと6人で回せている」


その先発陣、この日、横浜スタジアムにいたのはガンケルだけでした。


「今回は1試合だけの遠征ですから。14日から神宮でヤクルト2連戦なので、そこで先発する青柳たちは、あしたからの合流になります」


サブキャップ新里公章の報告にも、投手陣の余裕が漂っているように感じました。


「11日の広島戦は、相性の良さとその前の登板で球数が少なかったことで中5日の秋山でしたけど、しっかり抑えました。たしかにうまく回っているなと思います」


そこへまたビヤ樽が割り込んできました。


「巨人はきょう、菅野が中4日で広島戦に投げた。3位に落ちて、阪神との差が開いて、原監督は勝負をかけてきた。先発を間隔を詰めて使っている。阪神は普通にローテーションを回せている。この違いは大きいと思う」


ビヤ樽が余裕をかましたせいではありませんが、中7日のガンケルが打たれました。


「あわてることはない。巨人は勝ったけど、2位のヤクルトは負けた。阪神がこのあと残り33試合を16勝17敗の5割を下回る成績のときでも、ヤクルトがそれを上回るには残り39試合で22勝17敗が必要で、巨人は残り32試合を18勝14敗でいかなあかんのやから」


すごい。よくそんな数字がスラスラと。


「いや、これはサンスポCOMに毎日出ている『虎番ひとりごと』でキャップの長友(孝輔)が書いていた話のパクリ」


どうりで説得力があると思った。ファンの皆さまも気にせんときましょ。ひとつ負けたけど、ヤクルトはお付き合いしてくれたし、巨人は必死のパッチ状態。阪神はまだまだ余裕があります。