◆ウエスタン・リーグ◆阪神9-2広島(11日・甲子園)


プロ初降格後、最初の2軍戦で佐藤輝本来の当たりが戻ってきた。同点の6回無死一塁。左腕・高橋樹の118キロカーブをすくい上げた。二塁に到達すると、甲子園はこの日一番の拍手に包まれた。「まず1本出たという意味では良かったと思います」。ほぼ無風の中で、左中間フェンスを直撃する二塁打。怪物ルーキーの『38打席ぶり』安打が決勝点につながり、引き分けを挟んでファーム新記録をさらに伸ばす17連勝とした。


すでに球団新人記録を52年ぶりに更新する23本塁打を放ったが、8月22日の中日戦から自己ワーストの35打席連続無安打。特にラスト13打席で12三振と極度の不振に陥り、今月10日に出場選手登録抹消となった。「体のメカニックがおかしくなっていると思うので、そこを早く修正して、1軍に戻りたいと思います」。同日は鳴尾浜での練習後に同期の栄枝らと球拾い。この日は試合後に約40分の特打を敢行した。心身ともに成長する機会と捉え、充実の汗にまみれている。


4回の左飛も好守に阻まれたが、もう少しで本塁打という大飛球。平田2軍監督は「まずは打席を増やして調子を上げる。(復帰時期は)1軍が決めることだけど、しっかり充電させて、また送り込みます。楽しみにしててよ」と予告した。最短復帰は20日(巨人戦の予備日)。「今のままでは打てないと思うので、早く打てるように頑張っていきたいです」と佐藤輝。1軍も敵地の広島戦で2連勝。独走態勢に入りつつある矢野阪神と復活の背番号8が合わされば、まさに鬼に金棒だ。