◇9日◇阪神1-9広島(甲子園)

盛り上がりに欠ける完敗。矢野監督は淡々と振り返るしかなかった。「まあ良くはないけどね…」。調子の上がらない先発の秋山は、この日も不調のまま。3イニングで6失点KOだ。

「スピードガン(表示)が出るピッチャーじゃあないけど、もうちょっと押していけないと。一番いいのは真っすぐだと思うので、そこら辺の状態は、うんん…、現状は良くないのかなとは見てるけど」

大量ビハインドを背負うと投打もかみ合わない。4回には佐藤輝が左翼ポール際へ2号ソロ。5回にはこの日1軍に昇格した高山が代打安打。2016年新人王の2年ぶり快音を、スタンドは温かい拍手で祝福した。だが、その瞬間を過ぎるとあとは静かに終戦へとイニングを消化した。

2勝目が遠い。5日に今季初勝利を挙げた後は負け、引き分け、負け。開幕9連敗直後から借金は1つ増え、早くも2桁に膨らんだ。前夜の12回ドローの後、矢野監督は「今は先を見て野球をやるというよりは、目の前の試合を全力でいくことしかできない」と語っていた。土俵際の戦いが続く。