◇10日◇阪神0-1広島(甲子園)

声を出してはいけないと分かっていても「ああ~っ…」の巨大なため息が漏れた。0-1の9回2死三塁フルカウント。甲子園はこの日最高の盛り上がりを見せたが、大山が広島の守護神・栗林のフォークに空振り三振だ。

「その前にいかなあかんわねえ。その前にチャンスつくれてるし」

矢野監督にとっての逸機は8回までにあった。「すごい厳しいボールとか、全然打てないという感じには見えなかった」という広島・遠藤に、8回途中まで無失点の快投を許した。結果、今季3度目の零封負けだ。

開幕9連敗後の勝利は1つ。引き分けを挟んで3連敗となり、14試合を終えて借金11。セ・リーグ史上かつてないペースで借金が増えている。

「個々の調子を上げてくれというだけでは駄目だと思う。俺らも何ができるか。声を出すとか応援するとか、アドバイスを送るとか。そういうことを探してやっていくしかないかなと思う」

矢野監督は改善への方策を探すが、今後も試練が待つ。12日からは敵地での中日3連戦。大野雄、柳の左右両輪が第1、3戦に先発してくる見込みだという。

こちらも前回登板で完封した西勇、完封目前までいった伊藤将が第1、2戦に予想されるが、第3戦はローテ順では空席の日。1軍では8日に86球だった藤浪が中5日なら登板可能となるが、状況的にはタフな3連戦になりそうだ。