◆JERAセ・リーグ戦◆阪神3-3広島=延長12回=(8日・甲子園)


5回以降はリリーフが無失点で、連敗を阻止した。矢野監督は「みんな苦しい場面で精いっぱい攻めてくれた」と7投手をたたえた。課題の救援陣の躍動。「こういうゲームをしていけば勝てる」と前向きに捉えた。


最終回に5失点した6日のDeNA戦から中1日で、2試合連続の延長12回。4時間53分の激闘で、今度は守り切った。延長10回と11回はクローザー候補と期待する4年目の湯浅がプロ初のイニングをまたいだ登板で2回無安打無失点。指揮官は「すばらしい投球と気持ち」と絶賛。守護神候補だったケラーが2軍に降格し、整備が急務のブルペンに光。攻撃陣も、今季初めて2点差以上を追いついて、0-3からのドローとし、矢野監督は「何とか追いつけた部分もある。プラスに」と目を細めた。


だからこそ、序盤が悔やまれる。藤浪は、また立ち上がりに捕まった。開幕から自身3試合連続で初回に失点。2四球で2死一、二塁を招き、坂倉に右前適時打を浴びた。「修正したかったけど、できずに」と2回と4回にも失点し、1日の巨人戦に続く4回KO。5四球と制球難は解消されず、指揮官は次回登板について「ちょっと今、はっきり分からない」と保留した。


新型コロナに感染した青柳の代役だったとはいえ、開幕投手が早くも先発から外れる危機だ。青柳はウエスタン・広島戦で5回2失点。矢野監督は「めどはついた。次はこっち(1軍)で」と明かした。15日の巨人戦で復帰が濃厚。新外国人のウィルカーソンも2軍で好投しており、藤浪の立場は危うい。12試合を終えた時点での勝率0割8分3厘は、セ・リーグ史上ワーストタイ。ヤクルトが勝率5割に戻したことで、セの借金を独占した形で、一刻も早い立て直しが必要な状況に変わりはない。