これからマルクスの『資本論』の解説をします。文字通り、資本論を第一巻の最初から読むのです。


ところで資本論の最初は、いろいろな版(※)からの序文とかあとがきから始まっています。じつはこういった序文等は、まず省略してみたいのです。


※『資本論』の主なバージョンとしては、ドイツ語初版(1867年)、ドイツ語第二版(1872年)およびフランス語版(1872年から1875年までにかけて刊行)といったものがあります。でもこれらの序文等は、まず本文を理解しないことには、わかりやすく理解できない部分もあるので、まず本文の最初から解説をします。


一字一句をゆるがせにせず、解説をします。そのつもりでいてください。


資本論は3巻で成り立っています。内容的には「三つの部」で成り立っています。したがって、はじまりは、第一部からです。


第一部の最初の章、つまり第一章の第一節では、次のように書かれています。


「資本主義的生産様式における富は、〝膨大な商品の集積〟という形態で現れる。したがって我々の研究は、商品より始まる」


まず、資本主義的生産様式、というムズカシイ言葉が出てきます。つまり「資本主義経済」のことです、と言いたいところですが、じつは、まった違います。


資本主義的生産様式とは「資本家風の生産のやり方」という意味なのです。


じゃあ、「資本家風」の生産のやり方ってなんだ、ということになります。それは、わかりやすくいえば、


「労働する人と雇用関係を結んで働いてもらう」


ということなのです。この点で、資本主義的生産様式というのは、他の時代の生産のやりかたとは決定的にちがいます。


たとえば、江戸時代の日本には、少数の例外を除いて、


「武士-農民」


という主従関係が存在していました。しかし、農民は武士に雇われていたわけではありません。


このつづきは、またあとで・・・