もうずいぶん昔のことですが
バラエティ番組の企画で
芸人さんが
もっと上手に歌えるようレッスンを受ける
というのがありました

そのときのボイストレーナーさんが
レッスンの前に
こんな話をされていました


: カラオケで「上手だね」って言われる人と
: プロ歌手とのちがいは、なんでしょう?
   ・
   ・
   ・


: 声の出しかた、じゃなくて
: 「出した声の消しかた」なんです


なるほどぉ~って、思いました。



もちろん詩だって楽器だって
音楽の重要な要素です

でも 声は
まっさきに心へ届くものだと思うから




その番組を観て以来

いろんなミュージシャンの
「出した声の消しかた」に注目しながら
音楽を聴くようになりました

丁寧だったり
職人技だったり
誰にも真似できそうになかったり

注意ぶかく聴いてみると
けっこう個性があるものなんです

そういう視点(聴点?)から聴くと
古いとか新しいとか関係なくなってくる
だから
何年も前にリリースされた音楽でも
手放せないんですよね



わたしにとって
いまだに手放せない「声」
その一部を ご紹介させていただきます

かなり個性的な方々ですので
好き嫌いもハッキリ持たれるかもしれません

別のミュージシャンやあなたが歌えば
まったくの別物に化けるかもしれません

もちろん ご本人が歌っても
その時々で微妙な差はあるでしょうし

でも
この声だから馴染んで聴こえる
この声だから載せることのできる「思い」も
あるような気がします



鈴木トオル 『 シャイニン・オン 君が哀しい 』
http://www.youtube.com/watch?v=ysOa1AL6Chg

松岡英明 『 Your Love is My Sin 』
http://www.youtube.com/watch?v=dJQun-LoX3g

佐藤竹善 『 雪の華 』
http://www.youtube.com/watch?v=W3A0y9bExJI

谷口宗一 『 ありがとう 』
http://www.youtube.com/watch?v=ThCnHq0rwXw

surface 『 その先にあるもの 』
http://www.youtube.com/watch?v=bRFbBvoCJ9c




「ことば」だって「ねがい」だって
かたちにしようと思ったときから

「どうやって最後まで責任を持つか」って課題と
二人三脚で歩いていかなきゃならない

たとえ「最後」がどんなことになっても
一度むすんだ足は
最後まで ほどいちゃいけない

ちいさなつぶやきであろうが
書籍であろうが 記録であろうが
たとえ大きさはちがっても

じぶんが発したものは じぶんの欠片(カケラ)

それと共に歩いてくことは
カンタンなようで 結構むずかしい


世にリリースされた音楽も
その制作にかかわったミュージシャンたちの欠片

だれがどう受け止めるか わからなくても
発信し続けてく って
ほんとは とてつもなく勇気のいることだと思う

その勇気が 聴く人を動かしてくのかもしれない




みなさんのそばにある「手放せない音楽」

その理由を
あらためて さがしてみると
意外な発見があるかもしれません


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