イメージ 1

イメージ 2

ひとは辛い事があると幼き頃の思い出の地を訪れたくなる、と言います。
 
10歳から20歳まで過ごした秩父方面に最近よくトライアンフを転がしに行きます。
 
秩父を離れてすでに20年近く経過しており、最近は懐かしさより、20年の変化に驚く事の
方が多いです。 
 
「元祖胡桃汁蕎麦 やなぎや」 秩父の蕎麦の特徴、つけ汁に胡桃を挽いて入れる濃厚な味。
このお店がその「胡桃汁」の元祖だそうで、胡桃は秩父産の山胡桃だけを使用しているそうです。 
 
求道的な蕎麦屋さんとは違い、気取らない庶民的なお店です。
 
つけ汁の胡桃汁は滋味深い味。蕎麦湯も大変美味しかったですね。
 
蕎麦で遅い昼食とした後、一服入れようとこんだ東町の喫茶店「珈琲道 じろばた」へ。
 
ここは創業33年の老舗、マスターが一人で珈琲を入れてくれる、カフェでは無く「喫茶店」 

いや、店内は禁煙だから、すると矢張り「珈琲道」なのか?
 
メニューは珈琲のみ!!飲み物の珈琲だけ!アイスコーヒーも無いよ!!
 
だけどよくある頑固だけが売り物のお店では無いですよ、お菓子や食べ物は持ち込み可!
「珈琲の抽出に専念する為」フードメニューは潔く切り捨てている。
 
カッコイイ~~!!

中々こういう商売は出来ませんよ。 
 
店内の70年代な雰囲気が凄く落ち着けます。使い込まれたオーディオや書籍が壁を一回り
取り囲んでいます。本棚に「ガロ」(つげ義春等を輩出した漫画雑誌)を発見!!
嬉しくなりしばしガロに没入。 
 
いい香りが店内に。お客さんが来てから挽き、ゆっくり淹れてくれる珈琲は!!な美味しさ。 
 
1杯目はスタンダードなじろばたブレンド。二杯目はタイプ2の、少し濃い目を頂こうかな、
と考えていたら、マスターが静かに笑いながら、

「これ少し苦い方です、私からのプレゼント

と心を読まれた様に、タイプ2をサービスして頂き、嬉しくご馳走になりました。 
 
マスターと少し珈琲豆と真面目な世の中の話。

じろばたブレンドはベースがブラジル産の豆だが、昨今はブラジルは豆の収穫や作業に大幅な
機械化を進めてしまい、マニア好みのいい豆を作る生産者が少なくなったそうで、ずうっと
気に入っていたブラジルベースのレシピを今年限りで諦めるかも知れない、と寂しげでした。
 
「珈琲豆の生産高はダントツでブラジルです。しかしそのお陰で豊かになった生産者は、
効率重視の豆の作りかたしか見えなくなってしまった様です。折角のブラジルの素晴らしい
豆が、生産者自らの手で無くなっていくなんて、全く悲しい話です」 
 
うう~~ん、何だか日本の、そこここで全く同じ事が起きてる様な・・・。

高効率化はとても重要な事ですが、なにかそこに執着するあまり、ヒトの持つあたたかさみたいな
モノまで失われてしまったら、味気の無い世の中になりそうですね。