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えー久々に漫画の単行本を大人買いしてしまいました・・・。「キリン 東本昌平(はるもと
しょうへい) 1~32巻」 
 
事の発端は、私の好きなエッセイストで、国井律子さん(↑)という方がいらっしゃるのですが、
彼女が最初に乗ったバイクが、スズキのGSX-400-S、KATANA(刀)だったらしく、
クニイさんが二十歳の頃好きだった漫画「キリン」に憧れて・・・、とあり興味を持ったんです。 
 
クニイさんは現在31歳です。キリンはまだまだヤングキング誌で連載中ですから
かなり長寿漫画と言えます。
 
「キリン」というバイク漫画は以前から知っていたし、何回かは読んでる筈なのですが、
その時は全く響かなかったんですねえ~。面白いことに。
 
32冊の中で大きく3章に分かれていて、1章のストーリーや登場人物も、全体に影響を
及ぼす構成。 
 
「キリン」と言うのは主人公の通称なのですが、1~4巻までが「オヤジキリン」
19巻からは「ヤングキリン」(笑)というある種襲名制度的なジョジョ的な感覚。
 
戸田書店でまず3冊購入して読むと「オヤジキリン」はなんと!私と同じ38歳ではないか!
スグサマ残り29冊も一気にお買い上げ。1日で読みきり、今3回目の29巻を読んでる
途中。もーおオタク読みです。(笑)
 
周りのバイク仲間は皆バイクを降りてしまい、まだ走り続けているのはキリンのみ。
走り続けている目的、それは4輪車、ポルシェ911に勝つ事・・・。下らない
と言っちゃあそれまでなんですが(笑)そこは漫画ですので。人間とは無価値に価値を
見出して生きて行くイキモノなのだと人生の真理を突きつけられた気分。(笑)
 
全編に渡り、バイクは若さや餓えの象徴、4輪は大人や社会、諦観の象徴として描かれて
いる。年齢的、社会的には成熟しているオヤジキリンの深層に潜む、「若さへの諦めきれない
憧れ」のひとつの表現としてバイク、KATANAが登場してきます。 
 
オヤジキリンは最後は自分自身にケリを付けられるストーリーなのですが、作者の東本昌平さんは
絵も上手ですし、自分の好きな事書いてる感がムンムンでいい!!自分の経験や考えが咀嚼され
熟成されて、作品中に滲み出ています。
 
最近の漫画は、医者だ弁護士だなんだと、専門的なモノに目を付けるのはいいですが、 
あまりにあざとい!!なんか絵が上手くて筆が速いヒトが漫画家になり、ストーリーは
出版社の専門チームで取材、構成してるのが見え見えで萎えます。
 
漫画家の使い捨て現象が起きてる気がします。10年以上続けてるヒトがどんどん
少なくなるんじゃないでしょうか? 
 
ただ国井 律子さんがハタチのお嬢さんの頃、セックス描写も豊かな、完全に
男目線で描かれたこの作品にハマッたというのがなんとも面白いです。 
 
そして作者の東本さんが20年近く劇中に登場させるというコダワリ様の「KATANA」
あっさり3ヶ月で売り払い、すぐにハーレーダビットソンに乗り換えてしまうクニイ
さんのオンナップリも実に素晴らしい!!ビバ!国井 律子!!