昨年秋、日本全国で今まで例を見ない様な、人里近くにツキノワグマが出没して
人々を驚かせました。
たぶん、梅雨が長かったせいなのでしょうか、いつものクマの食べ物が乏しかったの
でしょうね、彼等も必死の覚悟で恐ろしい人間の生活圏に侵入したのだと思われます。
 
私じしん、秩父市内で少年期を過ごしましたが、ツキノワグマは見た事がありません。
夏、浦山川の上流部で、木に爪を立てた痕跡を見た位。東北地方に住んでいたお客様などは
結構、林道等で見かけるそうです。 
 
で、私が驚いたのは、昨年2006年一年間で、「駆除」したツキノワグマの数。
  
4000頭余り・・・。

いくら何でも殺し過ぎだよ~~!ただでさえ、山林の荒廃や、冬眠する為の大木
の減少等で生活しづらいのに、一年に4000頭も殺してしまっては駄目だ!! 
 
C.Wニコルが言ってましたよ、日本の何が凄いって、こんな先進国の島国でありながら、
クマがまだ生息してる事だって!イギリスなんか、千年も前に絶滅したって!! 
 
お前はクマの脅威にさらされた事が無いから、こんな呑気な事が言えるんだ、という
意見もありましょうが、私が脅威にさらされた当時者ならそりゃクマと戦うでしょうね・・!

そりゃ家の軒先にスズメバチが巣を作ったら取り除きますよ。おれ対ハチという個人対個人の
戦いに 誰も文句は言わせません!相手がクマでも同じ事です。あくまで個人として対峙して
いきたい。そして深追いは避けます。山に帰ったクマはもう関係無いじゃないですか。 
 
だけど、4000頭という数字を見るに、ただ山に住んでるだけのクマも、「危険駆除」
の大儀のもとに「地元猟友会」の方々がクマの住処の山に分け入り、大活躍なさった様子が 
想像出来ます・・・。 
 
あるニュースで、山から休耕田に狩り出された仔グマが、狩り犬に追い立てられ、血を流し
ながら田んぼの用水路に逃げ込み、それを素敵な地元猟友会の皆様が四方から射撃して
仕留めている映像を見ました。下半身を撃たれた仔グマはそれでも必死に用水路の土管に身を
隠そうとしていました。そこをトドメに背中を撃ち抜いていました・・・。 
 
まだちっさい仔グマだよ?狩り犬より小さい位の・・・。 
 
これはもう明らかに、集団による個の排除です。 
 
朱鷺だってラス1になって大騒ぎ、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコも
もう絶滅は秒読みと言われています。
 
ヨーロッパは産業革命前後に何百種という固有生物を絶滅に追い込みました。その反省がかなり
生きていて、環境保護方面はかなり進んでいる様です。 
  
日本は狭いながらも南北に長く、生物が多様な稀有な国だと思います。

人間が生きる為に止む無く他の生物を食べたり利用するのは「業」だと思います。
謙虚に、感謝して受け止めていいと思いますが・・・。 
 
どうかもう、狩猟の楽しみの為にツキノワグマを殺さないで欲しいと思います。