文林堂・世界の傑作機No211 RAFハリアー（パート2)

定価：本体1800円＋税

既に英軍からは全て退役したハリアーですが米軍やイタリア軍でもそれほど遠くない将来に退役が予想され世界の軍用機史上に名を残すハリアーの時代も間もなく終わりそうです。文林堂の世界の傑作機シリーズでもハリアー系列の機体は何回も特集されており本機の人気の高さが伺えます。

ところで先日、横須賀に寄港したイタリア海軍の空母「カブール」には最新のF-35Bと混載でハリアーが搭載されていました。驚く事に複座型も含まれておりマニアを喜ばせました。F-35Bと比べても小柄な機体であるハリアーですが本書に掲載されている空母「アーク・ロイアル」のハンガーリフト上のハリアーはぎりぎり積まれている感じで軽空母にとってはそんなにサイズに余裕がある様にも見えない。

イギリス空軍では予想外に早く退役となったハリアーですが空軍の見解ではトーネードの方が航続距離とペイロードに余裕がある、という見解はハリアーの限界を端的に表している様に思えます。ハリアーはあくまで海軍型の機体であり運用に制約が大きい空母での運用が前提だった。陸上の飛行場を使用出来る空軍ではV/STOL機はあまり需要がないのです。空軍機で最も重視されるのは航続距離とペイロードであり短距離離着陸性能は２の次の能力なのです。ハリアーの後継機が長い間、実現しなかった理由もよく分かる。

追加）

本書は巻頭のカラー頁が秀逸で美しいです。ハリアーファンは大いに満足出来るでしょう。

RAFハリアー(パート2) (世界の傑作機No.211)

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