本当は先週アップしようとしたのですが、書きかけのうちに大きく相場が動いてしまったので仕切り直しとなります。。。

 

今週の主役は、前半はユーロ、後半は間違いなく円だったでしょう。

ユーロは、ECBのタカ派メンバーのシュナーベル理事からの利上げ打ち止め発言により、来年の1.5%の大幅利下げを織り込む形となり、1.1ドルにつけたユーロドルはあっという間に1.07に反落。

米CPIをきっかけに大きく上抜けをした分を打ち消してしまいました。

 

そして木曜日の円相場。147円でスタートして、NY午後に141円にまで下落という瞬間風速で6円近い大幅円高。

これもきっかけは中銀。日銀の植田総裁の「年末から来年にかけてチャレンジングになる」という発言により、12月会合でのマイナス金利政策を示唆するような発言により、円が独歩高。

 

9月以降はじり高相場が続き、一時は151.9円台まで迫り円安一辺倒だった2023年相場も大幅に巻き戻すような動きとなりました。

個人的に7/28の日銀介入前後でドル円Sをやって痛い目にあったので、様子見だったところもあるのですが、これまでサポートとして重要な働きをしていた90日SMAを感謝祭明けに突き抜け、さらに5月以来ぶりに一目均衡表の雲を下抜けしてきました。

 

これでテクニカルは下目線に。もちろんまだ日米とも金利差はまだ5%以上もあるわけで、マイナススワップの大きいことから、スイングは難しいのですが、8月から約3ヶ月かけて上昇してきた値幅をものの2週間ほどで下げたわけです。

 

 

8日の雇用統計は予想外の強さを見せたのと、短期で下げすぎた反動で一気に145円まで戻しては来ていますが、やはり7日の下落のインパクトがかなり大きいですね。

ただ、昨年との違いは、152円に接近した際のドルロングポジションがそれほど大きくなかったというところ。

昨年は為替介入が2回あって、2回目の151.9円で実施されたあとに、10月CPIで暴落した局面がありましたが、短期筋や個人投資家は日銀の為替介入を警戒して、ドルロングは短期で手じまいしていたようですね。そのため、なんちゃって介入的な下げはちょいちょいあっても、昨年11月のような大下落相場にはなっていないようです。

 

来年は円高ドル安を予想する向きが大きいものの、思い出してみれば今年の年初の雇用統計でもそんな雰囲気だったのが、2月発表の1月雇用統計でNFPが50万人増というとんでもない数字が出て利下げ織り込みを一気に巻き戻したのも記憶に残っているため、あまり利下げの織り込みを過信しないほうが無難かとは思います。

 

いずれにしても、12日の米CPI、13日のFOMC、19日の日銀会合と年末まで目が離せません。

 

最後に、もし来年が円高トレンドになるのであれば、今年の年初来の127.27円が1つの目途。ここまで落ちるとダブルトップが意識され、2022年から始まった大円安相場の完全な終焉?となりますが、そこまで落ちるときはさすがにアメリカ景気が悲惨な状況になっているくらいしかないでしょうね。(想定以上の利下げ回数または何とかショックの到来)