吉田修一『ミス・サンシャイン』・・・「しませ」だったんだ
吉田修一『ミス・サンシャイン』です。あの『国宝』の 作者です。が、私は映画も見ていないし、原作は上巻の三分の一ぐらいで放り出してしまった。あれほど話題になっているのに、世の流れに逆らっているわ、とは思うものの、自分に合わないものは仕方がない。 同じ作家さんですが、これは全く毛色が違う…気がする。被爆体験を持つ往年の大女優と、若き大学院生の交流を描いたもの。島清恋愛文学賞受賞なのだそうな。恋愛小説かどうかはさておき、静かで、それでいて壮絶な人生の軌跡が美しいし、日本文学の伝統に則っている感じで、しっとりとした気分になりました。 で、今更ですが、島清はずっと「しませい」だと思っていた。「しませ」なんだ、知らなかった。大正時代の作家「島清次郎」を称えて設立された、恋愛小説専門の文学賞。愛称が「しませ」だったのだとか。 それにしても、モデルは誰なんだろう?京マチ子なのではないかと思って勝手に読んでいたのですが、特定の人物ではないらしいし。ともあれ、帯の「最高に泣ける」というのは眉唾ながら、「純文学(すでに死語かも)」っぽい味わいが、素敵なご本でした。