体が総てのモノを拒否し出した。

食べない、飲まない、点滴も入らない。

今年の6月で97歳となる母親である。

昨年の暮れから入退院を繰り返している。

その都度、回復して退院していた。

調子のいい時は盛んに歌を歌う。

レパートリーは童謡、軍歌、地元民謡と広い。

地元民謡は“ちょいな、ちょいな”

宴席では必ず謳われた歌である。

中にはかなりきわどいHな歌詞もあり、楽しい歌だ。

人の認識は出来ないが、会話は出来た。

“あー学校へ行きたい”

学校に行って何するの?と聞けば“勉強やなー”と言う。

“あー弱った、弱った”と叫ぶ。

何が?と聞けば“米がない!”と言う。

貧しかった頃の記憶は消えていない様だ。

食べなくなって今日で一週間になる。

歌も出て来なくなった。

言葉も断片的になってきた。

呼びかければ返事はする。

握り返す手には、力がある。

小水も少なくなってきた。

病院としては、成す術は無くなってきたという。

無理な延命処置は本人を苦しめる事もあると言う。

痛いとか、苦しい事はないようだ。

自宅で看取る事にして、退院をした。

老衰・・・枯れるとこうゆう事なのか・・・。

動物は死が近ずくと、体内を綺麗にすると聞く。

人間の老衰も又然りなのだろうか?

終焉 間近か・・・。

        威厳を感じる 寅次郎

(この稿を書いて、5時間後に永久の旅路に発った)
haha2

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