町内にある病院の院長が庭を作った。

名付けて“謝恩苑”

自宅の南側、200坪程の土地に、自力で築造。

庭師は自分!先生は総て専門書を見ての独学!

院長曰く、この庭は教科書通りの造りで、個性なし、と。

従って、庭を学ぶ学生には良いお手本だと言う。

寅の知っている庭師は小堀遠州位で後は知らない。

でも、寅は“一級造園管理技士”の免状は持っている。

悲しいかな、ペーパーエンジニアである。

鑑識眼はゼロに等しい。

白山塾の塾生10名程が押し掛けて、観賞した。

院長の書斎は、医学書は皆無、あるのは膨大な庭園専門書。

この院長は、庭のお医者さんだ。

庭には陰と陽があり、これのバランスだと言う。

西洋の庭は、幾何学模様で、定規で測った様な造り。

日本庭園は、アンバランスの中のバランスだと言う。

陰は女性で、陽は男性。

陰の石は寝ていて、陽の石は立っている。

男は立って何ぼだと言う・・・成程!

そして陰と陽は、常に寄り添っている。

中には、寝るでもない、立つでもない石がある。

何かと?問えば、あれは仲人石だと言う。

滝から流れる水は陰との事。

立っている陽の石の間を、陰の水が流れる・・・自然の理?

中には、食い込んで、絡んでいる石もある?

この世はすべて陰と陽、女と男から成り立っている。

これを知って眺めれば、庭も色っぽく眺められる。

              邪道であろうか? 寅次郎
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