人は死ぬときにお迎えが来ると言う。

誰が迎えに来るの?

先に逝った先祖?縁者?友達?恋人?

違う! 阿弥陀如来が25人の菩薩を引き連れて来るのだ。

十万億土の彼方から、紫雲に乗り、超特急で御座る。

家まで来るの?

違う!近くの山の向こう側までだ。

こちらから見ると、山越に、阿弥陀様が見えるのだ。

その時彼は、手から五色の糸をさし出す。

臨終間近の人は、その糸に縋り、極楽に行くのだ。

これを“山越え来迎阿弥陀仏”と言うらしい。

白鳥町白山文化博物館が特別展をやっていた。

そこに、珍しい立体的な山越え来迎仏が出ていると知った。

一人で出かけてじっくりと見てきた。

火災に遭って一部損傷しているのが惜しかった。

仏像もその意味を知ると、面白く鑑賞できるモノだ。

昔の人の素朴な信仰心が伝わってくる。

今より、余程心豊かだったと思える。

ここまで書いたら、従兄弟の訃報が飛び込んできた。

駆けつけたら、枕元には阿弥陀仏の小さな屏風が立てられていた。

ははーん、この事か、来迎阿弥陀仏とは・・・。

こうして人は旅立つのかと実感。

        妙に安心した 寅次郎
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