“凄い女(ひと)である”の一語に尽きる。

関東の友人(上林寅次郎)が送ってくれた本である。

遺体を生前の姿に復元する、ある女性のドキュメンタリー。

このブログの2月10日に「遺体」 を書いた。

石井光太著の「遺体」を読んで、大きな衝撃を受けた。

それは著者が大震災直後に現場に入り、膨大な遺体を前にしてのルポであった。

ところが、この“おもかげ復元師”は自分の手で遺体を復元した実録である。

「遺体」以上の衝撃を受けた。

その数は300余体の復元が限界であったと。

その遺体の多くは損傷の激しいもの。

顔は変形、変色し、砂を噛み、肉は削がれ、中にはウジの湧くものも。

肉親にも見せられない状況が多かったと。

死体は死んでからも変化してゆく。

時間との勝負だと言い、自分の睡眠時間を極限に削った由。

体力との勝負でもあったとも言う。

一か月余で体重が10kg落ちた。

限界を感じながらも辞める訳にはゆかなかった。

その復元師とは39歳の、何と女性である。

想像を絶する仕事である。

彼女は仕事ではなくミッションとして、ボランテァだった。

機械的に作業をするのではない。

死者に絶えず、いたわりの言葉を掛けながら、会話しながらである。

 当初、就寝前の床の中で読み始めたが、気持が悪かった。

ところが後半は時間を忘れ、一気に読み終えた。

世の中には、何と凄い女(ひと)がいるものか!

この世のものとは思えない過酷な現実・・・的確な表現が出来ない。

神は、罪もない人に、何とむごい仕打ちをするのか!

何を悟れと言うのか!・・・・。

          神を疑う 寅次郎
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