アリがゾウを倒す物語と言える。
下町の小企業が、大企業、大銀行のいじめと闘う小説。
その唯一の武器は技術力、プラス、人間の誠意である。
この本を半分くらい読んだ所で“忠臣蔵”が何故か浮かんできた。
正しいのに抹殺される赤穂・浅野。
吉良は政権の中枢にいて、庇護されている。
この理不尽に、戦いを挑む大石内蔵助=佃航平に見えてきた。
幾多の困難を乗り越え、吉良の首を取るが、権力までは倒せなかった。
しかし、その正義は、江戸市民の大喝采となり、事実上の勝利。
佃社長も、ナカシマ工業、白水銀行、帝国重工のいじめと闘う。
モノかね優先、利益最優先、人間不在の昨今・・・。
類は友を呼ぶ!
佃社長は、殿村、財前、神谷と言った、素晴らしい人に巡り合う。
かくして、大企業に白旗を上げさせる、ハッピーエンドの物語り。
終盤に「ここから先は松の廊下です」と言うくだりがある。
おやおや、やはり忠臣蔵か・・・?
この場面で、このフレーズは、意味がよく解らなかった。
やはり作者も、“忠臣蔵”が少しは念頭にあったのか?と邪推。
この二つは、形が少し違うが、最後は弱き者が勝利する。
今の世相でも“判官贔屓”は日本人の心の底には流れている。
こんな世相であるが故に、この物語は喝采を浴びたのだと思う。
「鉄の骨」も面白かったが、それを凌駕する。
熟読、遅読の愚性が、一気に読んでしまった。
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