本家筋の長男が亡くなった。

72歳と言うから、俺の一つ上である。

近所であり、ガキの頃は一緒に走り回り、遊んだ仲。

小柄ではあったが敏捷で、スポーツは万能であった。

酒は飲まなかったが、糖尿病が引き金になったようだ。

ここ数年は、入退院、そして寝たきりが続いていた。

その長男(32)は独身ながら、しっかり者で、見事、葬儀をやりきった。

その二週間前、俺の従兄が旅立った。

若い頃は、俺の親父が運転するトラックの助手を務めていた。

今時のトラック運転手は一人であるが、昔は助手が必要だった。

当時のエンジンはクランク棒で始動した。

木炭車の場合は、木炭を燃やす役目があった。

荷の積み込みは、全て人力。

依って、トラック運転手と助手は、かなりの偉丈夫だった。

共に酒が好きで、楽しい人であった。

 最近の傾向なのか、二つの葬儀とも、挨拶は喪主自身が行った。

その他、大半は葬儀屋が取り仕切り、お手伝いする事は無くなった。

その分、経費は大きくかさんでくる。

今迄、生花の名前は、重瀰のミツが彌に略されるのが常だった。

パソコンで簡単に出てこない字だ。

今回は、何とか探し出して、正しく書いてくれた。

昔は「花切り」と言って、町内と親類縁者が一日がかりで準備。

準備しながら、故人を偲ぶのが、供養でもあった。

便利と引き換えに、情緒は無くなってゆく。

何とも味気ない世の中になったもんだ。

         昭和も遠くなってゆく 寅次郎
「ぎゃくてんの寅」-kouraku

「ぎゃくてんの寅」-mitu

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