私は生まれたとき古い木造のアパートに住んでいた。風呂はなくトイレは汲み取りだった。
このアパートにときどき叔母がやってきた。叔母は母の双子の妹でよく似ていた。
この叔母に私より半年遅れていとこが生まれた。さらに弟も生まれた。
兄がひどいアレルギーで叔母はとても苦労していた。非アレルギー性のはちみつの石鹸の話ばかりしていた。
当時、私の半年遅れで生まれたいとこが、2歳ぐらいの私には頭が悪く思え、いつもいらいらしていた。その都度、叔母は「ごめんね、許してあげてね」と言っていた。頭が悪かったのは私の方だった。
それから私はこのいとこたちと機会があれば、一緒に遊んでいた。私は広島で暮らし、いとこたちは最初山口で暮らしていて、その後岡山に引っ越した。
前にも書いたが、この叔母の配偶者は在日の土木作業をしてた人で、稼ぎが良かった。おかげで私は何度も叔母からおもちゃを買ってもらった。
大学時代に一度私の下宿を訪ねてきてくれたのだが、不在で会えなかったのではなかったか。そのあと大家さんが「お母さんにそっくりね」と驚いていた。
その後、十数年前に脳溢血か心筋梗塞で叔母は入院した。私よりも年下のいとこの弟が看護していたらしい。
その叔母も三年前に亡くなった。
あとで聞いた話だが、入院する前、叔母は両親とディズニーランドに行ったらしい。しかしすでに叔母の容態が悪く、叔母はディズニーランドのホテルで寝たっきりだったそうだ。何か一つでもディズニーランドの遊具で遊べたらよかったのに。
その叔母が亡くなった直後に、後を追うように母も同じ症状で倒れた。2年の闘病ののちに、母も亡くなった。どうも母方の祖父の血を引いた人には脳溢血や心不全などの毛があるようだ。
私もその血を引いているらしい。