「裸足の大将 放浪日記」(第2話)の原案です。(^ω^)




【物語の時代】


古きよき昭和。



【場所】


A県にあるB温泉街のお話。



【登場人物】


◇ トラジ (通称。本名は不詳。)


天才放浪画家として有名な寺田寅次の名前を騙り、全国の温泉街を旅するただのルンペン。


犬とおまわりさんが苦手である。


「トラジさん」、「トラちゃん」と呼ばれる。


何故か、若くて美しい女性に親切にされる。


いつも裸足である。


(↑著作権対策です。(^ω^))



◇ 范文雀似の、女中、ジュン。


アネゴ肌の元女番長。


レディス「サンダース」を率いていた。


少年院で意地悪な女看守を、死闘の末に絞め落とした過去がある。


ママさんバレーボール・チーム 「ニュー・サンダース」を結成する。


試合前の練習中、骨肉腫に倒れる。



◇ 中山麻里似の、ストリップ嬢、麻里。


ジュンの旧友で、元「サンダース」の一員。


ジュンに、ママさんバレーボール・チーム 「ニュー・サンダース」に加入させられる。


ストリップの演目において、得意な曲は「好きになった人」である。



◇ ジュンの後輩の女中たち


元「サンダース」の一員。


ジュンに誘われて、同じ旅館で働いている。


麻里同様、ジュンにママさんバレーボール・チーム 「ニュー・サンダース」に加入させられる。



◇ 林マキ似の、大木ルリ子


元レディス「ミカサ」の頭。


若い頃、ジュンとライバル関係であったが、ジュンに敗れた過去があり、そのことを根に持っている。


現在、県内屈指のママさんバレーボールチーム「ニュー・ミカサ」を率いている。



◇ 石橋蓮司似の、殺し屋みたいな会社員、石山。


よれたスーツにイヤホンをしてトレンチコートを着ている。


指名手配中の殺し屋に似ており、旅館従業員らの間で騒ぎになるが、実は只の会社員である。


妻は緑魔子似の派手な化粧をしている。



◇ 高品格似の、ベテラン刑事みたいな会社員、高木。


よれたスーツにハンチングとトレンチコートを着ている。


旅館従業員たちから、指名手配犯を追うベテラン刑事と間違えられるが、実は只の会社員である。



◇ イッセー尾形似の、地元の駐在員。


(↑好評により、再登板。)



◇ イッセー尾形似の、医者。


(↑駐在員と一人二役。)





【おはなし】


基本的なところは省略する。


参考:

【日記】こんなに紋所は目に入りません。(^ω^) その4

http://ameblo.jp/toraji-com/entry-10169642648.html



昔、ジュンという女番長がいた。


ジュンは、昔、レディース、「サンダース」を率いていた。


少年院に入れられた過去があり、意地悪な女看守を死闘の末に絞め落としたこともある。


今は温泉旅館の女中をしている。


その旅館には元サンダースの後輩たちも数人働いており、ジュンのいいなりになっている。




ある日、ジュンの旅館に殺し屋みたいな中年男性、石山がやって来る。


ジュンはどこかで見たことがある顔だと思い、首をひねる。


それからしばらくして、旅館に張ってある指名手配犯にそっくりであることに気がつく。


そこで、ジュンはその男の様子を監視する。


それからしばらくして、別の中年男性客、高木がやって来る。


絵に描いたようなベテラン刑事風の風貌で、ジュンは勝手に石山を追いかけてきた刑事だと思い込む。


そこで、ジュンは高木に期待して、しばらく様子を見る。


また、手下の女中たちにも手を出さないように指示をする。




それとは別に、ある日、数人の中年女性たちが旅館に泊まりにやって来る。


ジュンが受付に出てみると、その女性たちは県内屈指のママさんバレーボールチーム「ニュー・ミカサ」のメンバーたちで、そのリーダーはかつてサンダースと対立していたレディース「ミカサ」の頭だった女性、大木ルリ子と分かる。


かつてジュンに敗れたルリ子は、旅館で客の立場を使い、ジュンに威張り散らす。


ジュンは最初必死に堪えていたが、ある時点でブチ切れる。


ルリ子 「あら、ここの旅館の女中さんはお客様に向かって暴力を振るうのかしら。」


ジュン 「あら、何のことでございましょうか。


こうなったら、バレーボールで決着をつけましょうよ。


ギタンギタンにして、差し上げますわ。」


ルリ子 「あら、あんたもバレーをやってたの。


いいわよ。やってやろうじゃないの。」


ジュンはかつての「サンダース」のメンバーに緊急の招集をかける。




シーンが変わって、場末のストリップ劇場。


「好きになった人」をBGMに中年の女性、麻里が、ステージの上で、艶やかに踊っている。


しばらくして、ステージを下りて楽屋裏。


支配人から、「麻里ちゃん、電話だよ」と言われる。


麻里は電話に出るなり、慌ててストリップ劇場を飛び出す。




元サンダースのメンバーが5名、ジュンの旅館に集まってくる。


麻里 「何の用よ、一体。」


ジュン 「今日から、私たち、バレーボールを始めるわよ。」


麻里 「何ですって。」


後輩の女中 「バレーボールを初めてどうするんです?」


ジュン 「あの生意気なルリ子を、バレーボールでブチのめしてやるのよ。」


麻里 「そんなあ!」


ジュン 「とにかく、私が決めたんだから、あんたたち、がんばりなさいよ。」


元サンダースのみなさん 「ひえー。」


それから、地元の小学校の体育館を借りて、ママさんバレーボール・チーム「ニュー・サンダース」のバレーの特訓が始まる。


(あるいは、映画「ブルース・ブラザース」で、ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドがかつてのバンド仲間、マット・マーフィー、スティーヴ・クロッパー、ドナルド・”ダック”・ダンらをかき集めたように、メンバーを一人ひとりかき集めていってもよい。


そのときのBGMは、もちろん、オーティス・レディングの「お前を離さない ("I Can't Turn You Loose")」である。)




その話と別に、いよいよ石山の様子がおかしい。


いかにも殺し屋みたいな振る舞いをしている。


ジュンは後輩の女中たちやトラジらを使って、石山の行動を監視をしている。


その一方で、ジュンは、いつまでたっても行動を起こさない、ベテラン刑事らしき高木に痺れを切らして、談判に踏み込む。


ジュン 「あんた、いつになったら、あいつを捕まえてくれるの。」


高木 「何の話ですか。」


ジュン 「とぼけなくてもいいのよ。


業務の邪魔をすまいと思って、ずっと黙ってたんだけど。


さっさとあの男を捕まえて頂戴よ。」


高木 「あの男?」


ジュン 「ほら、今、うちの旅館に泊まってるじゃない。あの殺し屋のことよ。」


といって、ジュンは指名手配のチラシを高木に見せる。


高木はそれを見てびっくりする。


高木 「何で私がそんな恐ろしいことを。」


ジュン 「何言ってるのよ、あんた、それでも男なの。


この女ばかりの旅館で、私たちに捕まえさせるつもり?


男らしくないわよ。」


高木 「そういわれると、男として捕まえないわけには・・・。


(↑まるきりの人のいい人であるが、自分が刑事と勘違いされていることに気がついていない。)


しかし、殺し屋となると、いろんな武器を持ってるに違いないですよ。


取り押さえようとして、刺されたりしたらどうするんですか。」


ジュン 「そうね。例えば、風呂に入っているところを狙うのはどうかしら。


入浴中なら丸腰だわ。」


高木 「なるほど。


それなら、何とかなるかも。」




その後、石山が風呂に入る。


ジュンが慌てて高木に知らせる。


高木がおっかなびっくり風呂に入る。


そして、さりげなく石山に近づく。


しかし、高木は、緊張のあまり、不自然に石山に近づき過ぎてしまう。


石山は高木が気になり、別の風呂に移動する。


すると、高木もしばらくして、ついてきてまた近くに座る。


石山はようやく高木のことに気付く。


石山 『・・・この人、なんかおかしい。』


その後、さらに石山が別の風呂に移動すると、やはり高木も移動して隣に腰を沈める。


しかし、お互い、ヘンに意識し合っており、一言も交わさない。


その様子をジュンが遠くから見ており、イライラしている。


ジュン 「あのオッサン、何してるのよ。


約束と違うじゃない。」


麻里 「あれじゃ、まるでアベックだわ。」


頷く後輩たち。


後ろでは、麻里、後輩の女中たち、トラジ、町の駐在員さんが様子を伺っている。




しばらくして、石山が気味悪がって、風呂を出ようとする。


その瞬間、高木が石山に飛びかかる。


風呂の中で裸の石山と高木が抱き合ってもつれ合う。


石山 「何なんですか、あんた。」


高木 「殺し屋め、逃がさんぞ。」


石山 「殺し屋って何の話ですか。


とにかく、抱きつかないでください。」


露天風呂で、裸で激しく抱き合う中年男性の二人。




それを遠くから見ていたジュンが後輩たちに言う。


ジュン 「行くわよ、みんな。」


後輩たち 「はい。」


ジュン、麻里、後輩たち、トラジ、駐在員さんの順に次々と石山たちがもつれている露天風呂に飛び込んでいく。


みんなで風呂の中でわらわらになる。


ジュンが石山を取り押さえる。


ジュン 「召し取ったりー。」


石山 「なんなんですか、あんたたち。」




次のシーンで、「(本物の)指名手配犯、逮捕」のニュースが流れる。




さらに次のシーンで、ジュンたちが正座をして、石山に土下座をしている。


ジュン 「まことに申し訳ありませんでした。」


麻里 「(仲間内で) 誰よ。この人(石山)を殺し屋なんて言い出したのは。


この人(高木)だって、刑事でも何でもないじゃない。」


みんなでお互いに顔を見合わせる。


しかし、この件はなんとなく、その場で収まる。




その後、ニュー・ミカサとのバレーボールの試合が決まり、小学校の体育館で練習を続ける。


しかし、試合の前日、ジュンが腰に強い痛みを感じて倒れる。


しばらく横になるが、回復しない。


ジュンがひどく苦しそうに汗をかいている。


そのうち、誰かが、「最近、テレビドラマで話題の骨肉腫では」と言い始める。


あわてて、みんなでジュンを地元の診療所に運び込む。


麻里 「あの、先生、ジュンは。」


先生 「あー、あれね。ただのぎっくり腰ですよ。」


ジュン 「ぎっくり腰ですって?


嘘ですよね、先生。


本当の病名を言ってください。


私、こう見えても、気丈な女です。


受け入れる覚悟は出来ています。」


先生 「本当も何も、ぎっくり腰だって言ってるじゃないの。」


ジュン 「ホントですか。


余命幾許もないとか、そういう奴じゃなくて?」


先生 「テレビの見過ぎですよ。


あのねえ、この温泉街、アンタみたいに腰を痛める女中さんが多いのよ。


ほら、みんな客の重い荷物やら、布団やら、抱えるじゃない。


で、みんな、腰、ヤっちゃうのよ。」


ジュン 「はあ。」


麻里たちが顔を見合わせる。


麻里 「誰よ、骨肉腫なんて言い出したのは。」


先生 「とりあえず、腰に湿布を張って、安静にしてなさい。」


麻里 「(ジュンに) どうするのよ。明日の試合。メンバーが足りないわよ。」


ジュン 「大丈夫よ。私にいい考えがあるわ。」




翌日、試合の日である。


試合会場の小学校の体育館にて。


ジュンがコートのうしろに、ディレクターチェアを置いて座って、メンバーたちに指示を出している。


ジュン 「(メンバーに向かって) あんたたち、負けんじゃないわよ。」


麻里 『何よ、役立たず。』


ジュン 「麻里、何か言った?」



さて、ニューサンダースのメンバーに混じって、トラジが突っ立っている(←「いい考え」)。


麻里 「(ジュンに) 何よ、あのおじさんは。」


ジュン 「しょうがないじゃない。


急な話で、試合に出てくれる暇な人が他にいないんだから。」


(↑主人公の出番の少なさを補うために、作者に買収されたジュン。)


麻里 「でも、おじさんを入れたら、ママさんバレーじゃなくなっちゃうじゃない。


おじさんバレーになっちゃうわよ。」



その会話をルリ子が聞いている。


ルリ子 「おじさんでも何でもいいから、早くしてちょうだい。


あんたたちなんか、さっさと破って、さっさと帰りたいんだから。」


ジュン 「なんですって。


(メンバーに向かって) あんたたち、絶対に負けるんじゃないわよ。」


ルリ子 「で、試合はどうするの?」


ジュン 「デスマッチよ。


相手が『参りました』というまで、徹底的にブチのめすのよ。」


ルリ子 「いいじゃない。上等だわ。」



その後、試合が開始される。


トラジは意外にそこそこの働きをするが、他が全然駄目である。


麻里 「(他のメンバーに) もう降参しましょうよ。


私、疲れたわ。


明日、仕事があるし。」


後輩たち 「そうですよね。


冷静に考えたら、県内一のチームに勝てるわけないですよ。」


ジュン 「あんたたち、全部聞こえてるのよ。


ルリ子たち相手に、降参したら、私が許さないわよ。」


後輩たち 「ひえー。」



その後、散々な試合が続くが、むしろ、ルリ子たちの方が疲れてくる。


ルリ子 「(ジュンに向かって) ねえ、もういい加減、やめない。


私、もう帰りたいんだけど。」


他のメンバーたちも頷く。


ジュン 「勝つまでやるわよ。」


すると、ルリ子たちがあきれて、降参して帰っていく。


ジュン 「勝ったわ。」


一人興奮するジュン。


麻里 「(後輩たちに) 勝負はもうどっちでもいいから、私たちも帰りましょう。」


後輩たち 「ええ、そうしましょう。」


撤収する後輩たち。



その後、「ニュー・サンダース」は解散になり、温泉街は元の状態に戻る。



トラジはいつものように絵を描いて、旅館を旅立つ。


(以下、略)



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