物語はクライマックスを経て、フィナーレへ。


読んで下さった皆様、お疲れ様でした。(^ω^)



【登場人物】


【原作】裸足の大将 放浪日記 第1話 設定資料
http://ameblo.jp/toraji-com/entry-10173606845.html




【おはなし】


以下の続き。


【原作】裸足の大将 放浪日記 第1話 その12
http://ameblo.jp/toraji-com/entry-10178574753.html




◇ 水着撮影会から一夜開けて、旅館「東野」の一室をさやかが掃除している。


さやかが箒を持ってたたずむ。


さやか 「それにしても、昨日は惜しいことをしたわね。


あと一歩で、黒岩グループの御曹司を落とすことが出来たのに。


父親の目の前で、お色気作戦をやってしまったのが失敗だったわ。


まさか、あんなにドン引きされるとは。


私としたことが、うかつだったわ。


でも、再建計画の方は、お話の通りのご融資を受けることが出来てよかったわ。」


(↑ということになったんだそうです。(^ω^))




さやかが布団を抱えて、布団部屋に行き、布団を片付ける。


さやか 「そういえば、昨日からトラジさんを見ないわね。」


あたりを見渡すと、トラジの荷物がなくなっている。


そして、そのかわりに一枚の紙が落ちているのに気がつく。


さやか 「あら、これは何かしら。」


さやかが拾ってめくると、絵が描かれている。


(↑絵は画面には映らない。)


さやか 「あら、これは。」


さやかが廊下に飛び出す。


さやか 「番頭さーん。」


さやかが廊下を走り、合田番頭を見つける。


合田番頭 「どうしたんや。何かあったんか。」


さやか 「番頭さん、大変よ。


トラジさんがいなくなってしまったの。」


合田番頭 「何やて。」


さやか 「このたった一枚の絵を残して・・・。」


合田番頭 「見してみい。」


合田番頭がさやかから絵を引ったくり、食い入るように見つめる。


合田番頭 「こっ、これは。 あの有名な・・・。」


目を合わせる二人。




◇ 鬼怒川の土手沿い。


トラジが傘の飛び出たリュックを背負ってとぼとぼと歩いていると、後ろからさやかと合田番頭の2人が追いかけてくる。


合田番頭 「トラジ先生ぇーっ。」


さやか 「トラジ先生ぇーっ。待ってください。」



♪ のにさくーはなのよおーにー かぜにふかーれてー


  のにさくーはなのよおーにー ひとをさわやかにしてー



トラジ 「あっ、しもうた。見つかってしもうたわ。(`ω′)! 」


走り去るトラジと追いかけてくるさやか。


さやか 「トラジ先生ぇーっ!サインしてくださぁーい!」


トラジ 「こんなところまで追っかけてくるとは。かわいいもんよ。(^ω^) 」



しかし、彼女はトラジを追いかけながら、何かを叫んでいる。


さやか 「先生ぇーっ! お部屋の精算が済んでませぇーん!


明細書にサインをぉー!」


トラジ 「何じゃとっ。(`ω′)! 」


さやか 「((一般客室の85%+薪割体験コース+消費税+入湯税)×n日分+特別サービス料)になりますぅー!


カードでも安心してお支払いいただけますぅー。」


トラジ 「只じゃなかったんか。(´;ω;`)


それにしても、布団部屋(おにぎり付)が一般客室の85%、高っ。(`ω′)!


ちゅうより、「特別サービス料」ってなんじゃ。」



回想シーン:


>「いいのよ。安心して」と言って、わしの手を握ってにっこり微笑むさやか。



トラジ 「これか。(`ω′)!


やけにサービスがええと思うたわ。(´;ω;`) 」




それから、合田番頭も追いかけてくる。


合田番頭 「オバQの落書きで、支払いの足しになるとでも思うとるんかーい!


キッチリ払わんかーい!」


トラジ 「やっぱり、駄目ですか。(´;ω;`)


誰でも分かるように有名なモチーフを描いておいたんですけど。オバQ絵描き歌で。


隣にバケラッタのO次郎も書いといたんですけど。


僕はそれしか絵が書けないんだなぁ。」




慌てて逃げるトラジ。


しかし、逃げる最中、うっかり野良犬の尻尾を踏んでしまう。


トラジ 「こっ、この野良犬は。(`ω′)!


番組の冒頭で尻尾を踏んで追っかけられた犬じゃなあか。」


オバQのように野良犬に追っかけられるトラジ。


その様子を遠くから見ている、番組の冒頭に出てきた、イッセー尾形似の駐在員さん。


「ややっ。あれは先日、本官の制止を振り切って逃走したあのときのルンペンではないか。」


(↑イッセーさんの口調で、”ル(ン)ペ(ン)”と力を入れて言って欲しい。)


うむっ、と帽子を深く被り直してから、フレームの歪んだ白い自転車に足をかけて乗って、ギッタン、バッタンと追っかけてくる。


(↑ペダルに足をかけるとき、最初、慌てて、ちょっと踏み外すこと。フレームの歪んだ自転車がなければ、踏んづけて歪めておくこと。)


駐在員 「ちょっと、待ちなさーい!」


トラジ 「待てませーん。(´;ω;`) 」



♪ そんなっふうにーぼくたちもー いきてゆけたら すばらしいー


  ときにはくらーいじんせいもー とんねるぬければー なつのうみー


  るるるー るるる るーるるー


  るるる るるーるるー


  「野に咲く花のように」(作詞:杉山政美)



物語が振り出しに戻る。


次第に画面が引いていき、上空の白い空が画面いっぱいに広がっていく。



 - 完 -



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