九十九里浜を歩いて、西へと向かう。


とりあえず、九十九里浜より西にある、総武本線の、一番最初の駅、飯岡駅の南下あたりまで歩けば十分じゃろう。
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35.709129109575436&lon=140.68046687170093&sc=5&mode=map&type=scroll


そう思うて、砂浜を歩き始めた。


九十九里浜は鵠沼海岸に少し似とるね。


ものすごく遠浅で、砂の上に雲母みたいなものがきらきらしとる。


潮風に吹かれるまま、ぶらぶら歩くと、頭が空っぽになって気持ちがええ。


途中、小さな小川が砂浜に流れ込んでおる。


このあたりも湘南と同じじゃね。


で、歩いておると、小さな小川が出てきた。


砂浜の上を流れる小川はだんだん蛇行してくる。


で、カーブしておるところの砂が削られて、断崖絶壁のようになる。


高さ、わずか30cmぐらいなんじゃけど、これがさっき見上げておった60mの行部岬にそっくりじゃわ。


自然環境って、いろんなスケールで相似な形を描くよのう。


面白いもんじゃわ。(^ω^)


その小川をひょいと飛び越えて、また歩く。


砂浜を流れる小川はだんだん水が砂浜に吸い込まれて行くけん、一番海に近いあたりが一番細かったりするんじゃのう。


で、もう少し歩くと、また小川がある。


今度は少し幅がある。


幅1.2mぐらいかのう。


砂浜から少し助走をつけてジャンプする。


ボシャ。


思いっきり、歩幅が足りんかったわ。(`ω′)!


靴の中がぐっしょり濡れてしもうたわい。



だいぶ歩いてきた。


もうそろそろ、飯岡駅のあたりじゃなかろうか。


手持ちの地図の表示が小さくて、頼りにならんけん、ときどき、歩道に上がって、設置された地図を見る。


もうしばらく歩くと、もう少し大きな小川があって、その上に橋がかかっとるけん、そこから北上していくと駅に出るらしい。


ほいじゃが、砂浜は足を取られるけん、歩きにくい。


で、ついでに歩道に上がって、歩き続ける。


歩いておる途中、「明日のジョー」の矢吹丈と力石徹のデフォルメされた石像を発見。


このあたりがちばてつや先生が育った町なんだと。



ところで、九十九里浜には、海岸沿いに車道と歩道があるんじゃけど、実はそれらと浜辺の間に、自転車道がある。


自転車専用の道で、幅1.5mぐらい。


これがずっと南房総まで続いておるらしい。


全然、自転車が走らんので、この上を歩いていく。


車道脇の歩道は自転車道との間に防砂の植え込みがあって、海が見えんのじゃのう。


海岸を見ながら、自転車道を歩く。


歩きやすくて、潮風が気持ちいい。



ところが、歩いても、歩いても、一向に小川が見えてこんのじゃ。


おかしいと思いながら、30分も歩いたじゃろうか。


そうすると、薄汚いどぶ川みたいなのが出てきた。


まさかこれじゃろうか。


ほいじゃが、これしか、川がない。


とりあえず、もう海岸沿いの散歩は終了して、北上しようかのう。


そう思うたら、何でか、北上できん。


さっきまで、歩道と自転車道の間には適当な隙間があったんじゃが、いつの間にか、防砂の松林と竹垣が頑丈に広がっておって、途切れなく続いておる。


いつの間に。(`ω′)!


しかたなく、もう少し歩いて、歩道側への分岐道を探すことに。


ところが、歩いても、歩いても、分岐道が出てこない。


どうしようかと思うとったら、松林の竹垣が倒れて、松林に入れるところがあった。


時間もないので、そこから、松林に入ってみた。


すると、この松林、真ん中あたりが盛り上がっていて、その中腹に幅30cmぐらいのわずかの獣道がある。


これが、何百メートルも続いておる。


おそらく、管理者用なんじゃろう。


これを歩いていく。


じゃが、いつまでたっても、歩道側に出る分岐点がない。


このまま、何十キロもこの状態じゃったらどうしようかしら。


そう思うて、せめて自転車道に戻ろうかと思うたら、いつの間にか、竹垣が頑丈になって、自転車道にも出られんようになっとる。


どうしたらええんじゃ。(´;ω;`)



しかたなく、林の中を歩き続けておると、ようやく歩道側に出られるらしい、わずかな獣道を発見。


そこを進んでいくと、他人の家の裏庭らしいところに出た。


どうも何かの施設らしい。


松林に繋がっとるところをみると、管理人の住まいかしら。


で、その建物の裏庭を歩いて、表に出てみると、そこはどっかの大学の寮じゃった。


人がおらんのを見計らって、さっと出た。


無事に出られてよかった。(´;ω;`)



ほいじゃが、もう飯岡駅への分岐点をずいぶん過ぎてしもうたど。


仕方がないけん、その次の旭駅まで歩くことにする。


もう車道脇の歩道じゃけん、道に迷うこともなかろう。


そう思うたんじゃけど、歩きよると、いつの間にか、歩道が終わって、車道脇の狭い白線の内側を歩いておった。


後ろから、ダンプカーがすごい勢いで通り過ぎていく。


無茶苦茶怖いわ。(´;ω;`)


しかたなく、早歩きで、歩いていく。


しばらく歩くと、信号があるはずなんじゃ。


で、それを北に行くと、旭駅に出るはずなんじゃのう。


ほいじゃが、歩けども、歩けども、信号がひとつもない。


もう、どんだけ歩いたじゃろうか。


しばらく歩いておると、セブンイレブンが見えてきた。


レジに、地元の人らしい中年女性の店員さんがおったので、聞いてみた。


「この先に信号があると思うんですけど。そこを曲がると、旭駅に出るはずなんですが。」


「信号はよく分からないけど、今来た道を少し戻って、手前のわき道を上がると、国道126号線に出るわよ。」


「そうですか。でも、戻るのは面倒なんで、信号を目指して歩きたいんですが。」


「そうね。でも、それ、間違えちゃうとたいへんよ。そのまま歩いていったら、房総に出ちゃうから。そしたら、帰って来れないわよ。」


おばちゃんの話では、信号の選択を間違えると、そのまま、『明日なき房総』をすることになるらしい。


て、わしゃ、ブルーススプリングスティーンかい。(`ω′)!



しかし、引き返すのも面倒なので、"Born in Chiba"を歌いながら、歩き続ける。


すると、しばらくして、小さい信号が見えてきた。


喜んで、その信号を右へ曲がり、北上していく。


そこには、のどかな田園風景が広がっておった。


どこもかしこも水田で、どこか懐かしい感じがする。


それを歩いておると、小学校が見えてきた。


矢指小学校じゃと。


先生が生徒たちにいろいろ指示を出しておる。


楽しそうじゃね。(^ω^)



じゃが、その後、歩いておると、T路地にぶつかってしもうた。


あら、こんなのないはずじゃが。


もしかすると、信号を間違えたかしら。


手元の地図はポケットサイズで表示がかなり省略されておるけん、もしかしたらこの信号じゃないんかもしれん。


じゃが、見渡す限り、田園で、全然見分けがつかない。


やむを得ず、適当に道を変えながら、北に歩く。



途中、道端でおばちゃんを見つけて、聞いてみたりするがよく分からん。


結局、何度か、T路地にぶつかりながら、歩き続けておると、旭中央病院の敷地に出た。


病院の近くの掲示板を見て、ようやく駅にたどり着いたわ。


えらい時間がかかったわ。(´;ω;`)



家に帰って、確認してみると、やっぱり、あの信号(西足洗浜)じゃなくて、地図の信号(足川浜)はもっと大きいやつじゃったらしい。
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35.69622455092108&lon=140.66954411012304&sc=3&mode=map&type=scroll



もう疲れたので、そのままJRに乗る。


ホームに上がると、黄土色のジャケットを着た学生さんがたくさんおる。


男女とも同じようなデザインじゃ。


地元の学生さんかの。


彼らと一緒に総武本線に乗って、千葉へ。


千葉から、総武線に乗り換えて、東京、新橋、赤坂へ。


ようやく帰ってきました。


長い旅じゃったわ。



最後に、今回は長いこと書いたけれども、この旅で、わしが学んだことは、やっぱり、千倉真理の言うとおり、


「地球はまあるいよ。」


ちゅうことじゃわ。



じゃあの。(`ω′)!



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