あるところにラーメン屋がありました。
脱サラした中年男性とその息子さんが経営していました。
ここのラーメンは安くておいしいのです。
で、僕はよくこの店に通っていたのです。
ところが、ある日、問題がおきました。
息子さんが交通事故で入院してしまったのです。
で、かわりに娘さんが働くことになったのですが、この娘さんというのがお母さん似で大変な美人だったのです。
それが評判を呼んで、いつの間にか、そのラーメン屋には長蛇の行列ができるようになりました。
おかげで、僕はそこのラーメンを食べるために、長い間、並ばなければならなくなりました。
僕はラーメンが食べたいのであって、娘さんに逢いたいわけではないのですが。
あるところに人気ブログがあります。
そのブログはAさんという人が書いています。
Aさんはとても理知的で面白いことを書きます。
で、僕はよくそのブログを読んでいます。
ただ、ひとつ、問題があるのです。
そのブログを書いているAさんは若くてとても美しい女性なのです。
彼女はたびたび自分の顔写真を自分のブログに貼り付けているのです。
そのためだと思うのですが、そのブログにはいつも男性たちの長蛇のコメントがつくのです。
おかげで、僕はそこのブログを読んでその感想をコメントに書いても、他の人たちのコメントであっという間に流されてしまうのです。
僕は知的なAさんと面白い話がしたいのであって、彼女の美しい容姿が見たいわけではないのですが。
昔、こういうお話を書きました。
【小説】僕の好きな先生
http://ameblo.jp/toraji-com/entry-10037560381.html
僕が中学の頃、むさくるしい男性の先生がいました。
全然人気がないのだけれども、物知りでお話をしていて楽しかった。
その後、この先生と同じように面白い人に何人か出会いました。
しかし、何故か、そういう人に限って、外観的に魅力的な人が多いですね。
魅力的な人との付き合いは難しい。
常に多くの人が群がっているので、その中でこの自分が親しく付き合ってもらうのはとても難しい。
人間関係はキャッチボールに譬えられます。
魅力的な人とキャッチボールをするのはむなしい。
ボールを投げても帰ってこないか、帰ってくるたびにボールが小さくなってしまうのです。
ある人にボールを投げて、帰ってくるボールの大きさは、両者の魅力の違いに反比例します。
こちらの魅力 : あちらの魅力 = 帰ってくるボールの大きさ : 投げたボールの大きさ
上のAさんについても、僕はしばしばこう思います。
Aさんがあの先生のようにむさくるしいおじさんだったらよかったのに。
世の中には、そういう人がたまにいますね。
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