始まらない終末戦争と終わってる私らの青春活劇
王雀孫

世界は今、そういう流れなんだ。


最近見ない彼は何をしてるだろうか。
何なら生きているのだろうか。
出来ることなら、また王雀孫節に酔いしれたい……

そう思っていたら、コミケでケロQブースの列整理をしていたという声明がSCA-自さんから出され、盛大に噴飯。
王よ、何をやっているのだ我らが王!
それから数ヶ月。

このWAの季節に発売された我らが王の最新作は、何とライトノベル!
最近はライターがラノベを手掛けるパティーンも増えましたね!
ともあれ、これを読まない手はないでしょう。

密林の箱を開封一番に飛び込んできた丸戸史明さんの帯コメントが卑怯でした。

書けば天才
上がれば名作
だからお前は早く書け

これ程までに心底から同意できる帯コメもなかなかありません。
何ならヘルガも眼鏡を輝かせて「フォルコメンハイト!」と外人AAのようなポーズをキめますよ。

そして、内容を読み始めて一番。
ぶっちゃけ王雀孫は天才。
これが我らが王ですよ。
これだから我々は王に付き従うんですよ。

誰にも真似できない、ハイテンションを超えて終末が近付くような筆勢。
地の文章からは、『それ散る』や『俺翼』の香りも漂って。
散りばめられたギャグの数々も、主にジャンプからの小ネタも、全てが快感を呼ぶフレーズとして脳を按摩して来ます。

最終的な満足感という点ではやや食い足りなくもありましたが、紛れも無い王雀孫に触れられた歓びは確かな物です。
やはり、ノベルゲームの分量で王に圧倒されたいと望みます。


70点。