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途轍もない物を観てしまった……
鑑賞直後の率直な感想です。


まどかマギカ自体、個人的に21世紀のアニメ作品の中でも最高峰の作品だと思っており、大好きな作品です。
まどかとほむらちゃんが話している姿を見るだけでも泣けて来てしまう位に。

そんな私にとって、来場者プレゼントがこのまどほむ色紙だけだった事は大いなる福音でした。

しかし、それ以上に映画そのものが、本当に本当に素晴らしい物でした。

私は人生の中でもヱヴァ破が一番好きな映画と言っていいですが、今世紀観た映画の中ではそれに次いでスタンディングオベーションしたくなりました。

物語の凄さも、キャラクターの掛け合いの楽しさも、臨場感を盛り立てる音楽も、美し過ぎる美術も、創作物として、完全に掛け算になっているのがまたブラボーです。
蒼樹うめさんのキャラ、虚淵玄さんのシナリオ、梶浦由紀さんの楽曲、ClariSさんの主題歌、悠木碧さんや斎藤千和さんらの名演、イヌカレーさんの異空間、新房監督のディレクションetc……
全てが相乗した結果この世界に生じた奇跡そのものと言って良いでしょう。
一人では絶対にこれだけの物は創れません。
様々な制約下でもこれだけの物を生み出せる、その事が何にも勝る希望として祝福を受けたような気分です。

まどマギを観た方は、是非劇場に足を運んでみて下さい。
まどマギを観た事がない方は、完全にアニメ視聴済であることが前提の映画ですのでご注意を。

今ならGyaoで無料で観られるようです(6話以降は27日までのようなので、お早めに!)
又、TBSが観られる環境下の方は4日と6日の深夜に総集編である映画前後編を放送予定だそうですので、チェックしてみて下さい。

死ぬ前に観られる事が出来て幸せだとすら思いました。


90点。


以下はネタバレ感想です。














































色々と言いたいことがあり過ぎますが……


取り留めない雑感から。

詢子さん役で後藤邑子さんが喋っている事がとても嬉しかったです。
いつ収録したんでしょうね?

初っ端から杏さや全開!!
さやかの家に居候してるとかそれ何て同人誌?
お互いに背中合わせで戦ってるシーンとか萌えも燃えもあって最強すぎますね。

まどほむはもう感無量レベル。
二人が同時に存在している全ての時間が愛しい。

序盤の真っ当な魔法少女モノ的な部分はあれはあれで良い物ですね。
変身シーン、子供が見たらちょっと怖そうな部分もありますけど。
ブレイクダンサー化していたさやかちゃんには笑いも。
しかし、5人が揃って戦ってる姿は感無量です。

派手な戦闘シーンはもう最高でした。
5人それぞれの特性がよく出ており、ティロ・フィナーレは勿論、新技や合体技もあってサービス満点でしたね。
ナイトメア戦も、マミVSほむほむも恐るべきクオリティ。
また観に行きたいです。

背景美術は本当に溜め息が出るくらい美しくて、それだけを流し続ける映像であってもずっと観ていたいレベルです。


で、本当に虚淵玄さんはやって下さいますね!
あれだけ綺麗に完結した物語でどうやって新作を創るのかと思っていましたが……
あの最終話で出て来た魔獣の伏線も見事に回収して、完璧なる続編を見せてくれました。
全くもって素晴らしかったです。

最初、再びメガほむの転校してくるシーンから始まった時は、これはループの中の一周を描いた物語なのかなと思いました。
マミさんがシャルロッテと暮らし、ナイトメアなる物と戦う世界線。
そんな時もあったのかも、と。

しかし、完全に本編12話の続きである事が徐々に明かされていきます。

ほむほむの視点から見た人々の顔のバグや、飛行船が濁ったソウルジェムの暗喩のようになっている辺りで、このおかしな世界はほむほむの作り出した物なのでは、と朧気に思いましたが案の定でありました。
まあ、あのエンドから続けるとなると、そうなる以外ないですよね。

最終的に彼女は魔女をも超えて悪魔とでも呼ぶべき存在になってしまうのですが……
でも、そうだと思いますよ。
TV版の10話で描かれたあの無限ループの中で、人間がまともな精神を保っていられる方が無理があります。
元々の気質もほむらちゃんはそんなに強いものではありませんし。
あのループの中でどれ程までにまどかへの想いを募らせ続けて来たか。
それがあるからこそ、私もまどほむが二人で話しているだけで泣ける訳ですけど。
劇中でも3回くらい泣いていました。

外部からの影響を遮断するフィールドを用いて、「全ての魔女を生まれる前に消し去りたい。すべての宇宙、過去と未来の全ての魔女をこの手で」というまどかの願いによって生み出された円環の理の影響を受け付けない環境下でのソウルジェムの濁りによる魔女化を観測し、制御しようとしていたインキュベーター。
それを察したほむほむは、まどかを守るために自らが魔女化し、更にアルティメットまどかからまどかの人格だけを断片的に奪取して悪魔化。
ただただまどかの為に、途轍もない勇気を持って身を挺して行動できてしまうまどかの普通の幸せや笑顔の為だけに、愛で世界の理までを改変。
正に「君が笑ってくれるなら 僕は悪にでもなる」といった感じですね。
が、それを当人から「ルールを自分勝手で破るのは良くないこと」と否定されてしまいました。

そして、12話で受け継いだリボンを返還。
色んな意味で泣けるシーンでしたね。
そうまどか本人に云われたとしても、まどかの為には他にやりようはないのですから。
何という悲劇でしょうか。
もう、素晴らしいとしか言いようがありません。

世の中で愛ほど純粋で、強く、恐ろしい感情はないでしょう。
自分の損得を無視し、限界すらも超えた力を発揮する源。
それはインキュベーターたるQBには絶対に理解出来ない領域です。

最後ボロ雑巾のようになっていたQBには笑いましたが、今後彼の更なる叛逆はあるのでしょうか。

今作は今作でまた綺麗に完結しており、悪魔化したほむらちゃんを元に戻す続きはありそうといえばありそうですけど……
そうした場合にまどかが犠牲にならずに、円環の理を保ったまま解決されるような甘い未来は存在しうるのでしょうか。
虚淵玄さんですし、代償無くしてハッピーエンドというのも非常に考え難いのですけれど。


取り敢えず、折を見てまた劇場に足を運ぼうと想います。
特典も色々ありますしね。
パンフレットの情報量がかなりの物らしいので、是非読みたい所です。