個人的には「Cube」や「Saw」など「構築系」ホラーが大好きです。




「不幸を努力して乗り越えよう」のような、お行儀のいい建前は絶対言わない、それよりも「死ぬ時は死ぬんだからさ」みたいにポンと肩を叩いてくれることで、かえって気が楽になるという、そういう効果を発揮してくれるのがホラー映画です。



大の映画好きであらせられる荒木飛呂彦先生が、ホラー映画に絞って様々な作品を紹介・解説。
その実、映画論を通して、自身の作品論(主にジョジョ論)としても読めるので、ファンは必見。

ジョジョも第一部は吸血鬼の出てくる「ロマンホラー」ですからね。


スティールボールランの終了、連続刊行に始まるジョジョ25周年&荒木飛呂彦先生30周年のお祭的時間も、いよいよピークを迎えました。

最近ではジョジョの花札である「ジョジョの奇妙な花闘」の紹介アプリまで登場ォォォ!

勿論、早速ダウンロード!せずにはいられないッ!

で、このアプリで選択をする時には「はい」と「だが断る」 の二択なんです。

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グッドッ!

だが断るってのはスゲーわかる。よくわかる。露伴先生屈指の名言だからな

だが!

その後に「!!」が付いてるのはどういう事だ~ッ!
原作で「!!」が付いてるかってぇのよォー!
クソむかつくぜこの「!!」~!「!!」ッて何だ!クソッ!クソッ!

と、公式なのにニワカジョジョラーにありがちなテンプレ間違いをしているのが少々気にかかりつつ、ジョジョおみくじを毎日楽しんでいます。


そんなジョジョ好き視点で読むこの本。

何故か露伴先生が吸血鬼になっています。
が、それも中身を読めば納得。ルーツが意外な所にあるのだなあとジョジョファンなら得心間違い無し。


世界のそういう醜く汚い部分をあらかじめ誇張された形で、しかも自分は安全な席に身を置いて見ることができるのがホラー映画だと僕は言いたいのです。
中略
だから少年少女が人選の醜い面、世界の汚い面に向き合うための予行演習として、これ以上の素材があるかと言えば絶対にありません。もちろん少年少女に限らず、この「予行演習」は大人にとってさえ有効でありうるはずです。



この辺りは、ジョジョが結構えげつない描写を行いながらも人間讃歌である理由の裏付けになっている物だと思います。


ゾンビ映画で癒される、という発想は「コメットさんにも華がある」という作品の主人公も述べていましたが、鏡写しのカタルシスを的確に捉えられるのは、鑑賞者として、表現者としての感受性の豊かさの現れかもしれません。


とりあえず、荒木先生がトップ20に挙げていた映画は観てみたいなと思いました。


65点。