2024年の5月5日、端午の節句に訪問した。東武東上線高坂駅の改札を出て、スマホの画面を確認しながら西口の右側の階段を降りた。目の前に見えるファミリーマートの向かい側にロータリーがあり、ちょうどこれから乗る予定のバス鳩山ニュータウン行きが停車していた。空腹を我慢しながら乗車。運転手さんのちょうど後ろの席に座り10分揺られて、大東文化大学バス停で下車。昼下がりの晴れの日、心地良い柔らかな向かい風を頬に受けつつ、コンクリート製のトンネルをくぐって本堂へ向かった。足元には鬱蒼とシダ植物が茂っていた。

 

 大きな石仏像が立ったまま観音堂を見つめていた。本堂で鐘を突きお参りをした。賽銭箱のすぐ右側にご住職がいらっしゃったので書置きの御朱印をお願いした。今日は特別に観音堂の中でお参りができるとのこと。ちょうど参拝を終えた中年夫婦が靴を履いて出てきたので軽く会釈をして別れた後、中に入れていただくことにした。

 

 正面に観音堂の御本尊、千手観音菩薩が見えた。正座をしてお参りをした。開いた木戸のすき間から見える緑が青々として風に揺れていた。出ようと立ち上がって靴を履こうとするとご住職から声を掛けられ、話が弾み、お寺の縁起について色々と教えていただくことができた。いまお参りをした千手観音菩薩は、鎌倉幕府を開いた源頼朝の妻、北条政子の守り本尊なのだそうで、このお寺は頼朝から庇護を受け栄えたとのこと。戦国時代の北条氏が寺の施設を焼き払った話、NHK大河ドラマ鎌倉殿と13人で放映された話、埼玉県のYoutubeチャンネルの話も伺った。御朱印を受領した後、百地蔵堂で手を合わせた。それから、戦国時代に作られた鐘楼を撮影したり、眼下に伸びる長い参道をずっと眺めたりしながらゆっくり時間を過ごした。ほかにも団体で参拝する方々を10人くらいいたし、男子大学生がひとりで写真を撮っていたりしていた。

 

 帰りは大東文化大学のキャンパス通用門付近のバス停からバスで高坂駅まで向かった。バスの車窓から、テニスの試合を見入る観客の姿や、動物園帰りの親子連れが見えた。なんだか私もほのぼのとした気分。すっかり空腹を忘れていた。

 

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★アクセス★

坂東三十三観音第十番札所 

岩殿観音 正法寺

埼玉県東松山市大字岩殿1229

東武東上線高坂駅西口、ファミリーマート前から川越観光バス「鳩山ニュータウン行き」バス乗車10分、「大東文化大学バス停」下車、徒歩2分

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