NORA(ノラ
 
 ある日の わたしは 「のら」と呼ばれる 猫の背を触っていた
 わたしの掌に 指先に伝わる感触を確かめながら
 
   いま この子は なにを思っているのだろうか・・・・・・・
 
 そんな 感慨をいだきながら 
 
 
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 『のら』 と辞書をひけば
 
   『野原』 『野』と出てくる
   されば 野良猫とは 自由に生きる猫?
 
 而して 人がそれを口にするとき
  
  蔑み 或いは 哀れみの音が聞こえる
 
 好きでノラになったわけではあるまいに・・・・・・・・・・
  
 指先に伝わる 細やかな振動
  
   それは 不安それとも  遠い記憶の やすらぎの時間
  
 家にあるから しあわせ とは けっして想ってはいない
 さりとて 野にあって とも・・・・・・・・・・・・
 
 しあわせとは 押しつけるものではなく 感じるものであるように
 愛が 愛することにありて お仕着せではないように
 
 ただ わたしの指先の温もりが いま この子にとって
 不快ではないことを 願うだけ・・・・・・・・・・・・・・
 
 
      
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 それは わたしの心の 機微なのかもしれない
 微細に 揺れ動く わたしの心・・・・・・・・・・・
 
 わたしの さまよえる魂の振幅が 
 わたしの指先から こぼれ落ちてゆくように想えたから・・・・・・
 
 
 Photo 2012.06.24 稲毛海浜公園にて