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野辺に咲くちいさな花に想いをよせて

野辺を歩くとき
 小さな花を見つけて歩みをとめた

 僕は思わず、腰をかがめ
 彼女に話しかける
 
  君は一人で寂しくないの?
 
 彼女は明るく微笑み僕に答えた

  どうして寂しいことなどあるの
  私はとっても幸せですよ

 僕は彼女にこう聞いた
 
  だって君は独りぽっちでしょ?

 彼女は答える
  
  いいえ、私は独りぽっちではありませんよ 
  昼は太陽が私の話し相手
  
  夏には雲が私のパラソルに
  汚れは雨が流してくれるわ
  
  心地よい風が私をくすぐる
  そして夜には、月や星達が色んな国の
  いろんなお話を聞かせてくれるわ

 僕は、それでもと
  
  でも君は此処から動けはしないよ

 彼女は言う、
  
  ええ、私は動けないわ
  でもね、虫や、小鳥達が色々なことを教えてくれるの
  色んな町のお話を、色んな景色を・・・・・・・

  そして私は、何時か枯れてしまうでしょう
  でも私はけっして死なないのよ
  私は、多くの子供達・・・
  そう私が生んだ種を風さんに運んで貰うの
  
  子供達は、また多くの子供を作って・・・・
  何時か此処は素敵なお花畑に・・・・・

 彼女の顔は幸福感に満ち
 その微笑みは輝き光に満ちていた

 何時しか僕は彼女の夢の中にいた
 そこは暖かい温もり、優しい想いに満ちていた
 なんという幸福感・・・・・・
 至福の想いを感じて僕は其処を後にする


                      Poem by Tora 2006.12.19