のんさんのブログのコメントに少しだけ(つかタイトル?)だけ書いた「家」の話し

 うちの母(虎母)がまだ4~5歳の頃
(ちなみに戦中生まれ(笑)

 当時借家に両親と兄弟姉妹(母は10人兄妹( ̄ω ̄;)で住んでおり、母は両親と妹とお座敷で川の字で
寝ていたそうです

   妹 母 父 虎母 ←こんな順番

虎母が産まれた頃にはもうそこの借家には住んでいたようで、他の家族には特に変わったこともない
普通の民家だったそうなんですが、虎母が4歳くらいのある日から「あるもの」を見るようになってしまった

 お座敷には傘の付いた電灯が天井にあり、寝るときは豆球にして寝ていたそうです

 そんなある日(4歳くらいの頃?虎母もそこは記憶が曖昧)夜中にふと目覚めた虎母
豆球が部屋を薄明るく照らしているために真っ暗ではないため、虎母がもぞもぞ寝返りなんぞ打っていた
とき部屋にある者が居た

     着物を着て正座して顔をうつむけているおばあちゃん

!??q! と虎母は驚いて、隣に寝ている父の背中にしがみついて眠ったそうです

ところがこのおばあちゃん、毎夜毎夜出てくる
それも虎母だけにしか見えてない

父(僕にとっては祖父)が「なんで俺の背中にしがみついて寝る?」と聞いてきたので
「夜中にばあちゃんが座ってるもん」と言っても誰も見てないので信じてくれない

虎母はずっと怖かったが、特に何をしてくるわけではない、そのおばあちゃん、恒例のように毎夜毎夜現れて
いたようです
そして時には背中を向けて座っていたこともあったそうで・・

 でもあまりにも虎母が言うものだから、おかしいと思った母(僕の祖母)がお参りしてくれる方の元へ相談しに行ったそうです

 見てもらうと、そのおばあちゃん、借家の元の持ち主で誰も供養してくれていなかったらしく、毎夜お座敷に
姿を見せていたそうな

 祖母がそれから毎日御仏壇に水を上げるようになるといつしか現れなくなったそうです
虎母は未だにその正座していたおばあちゃんを鮮明に覚えているようで、「あれは怖かった・・」と
たま~に話してくれます

・・・・・

 そんな虎母は19歳の頃、結核を煩い、三年ほど療養所に入っていたことがあります
たまたま結核に有効な新薬が出たくらいの頃で「不治の病」では無くなりつつある時代だったそうですが
入所している重篤な患者さんが亡くなることもあったようです

虎母は四人部屋で過ごしていましたがあ、同室で同年代のKさんと親しくなり、散歩やレクリエーションなどいつも一緒に行動していた

 そんな日々を過ごしていたある日の朝、洗面しようと虎母が洗面所へ行くと同室のKさんが先に顔を洗っていました
いつものように「おはようございます」と声をかけると、顔を洗っていたKさんは「おはよう」と母に向かって顔を向けた

 虎母が一瞬見たKさんの顔は目が吊り上がった男でも女でもない全く別人の顔

驚いて声が出そうになったらしいんですが、ふと気づくといつものKさんの顔に戻っていた

 虎母はその顔があまりにも不気味だったためになんとなくKさんと一緒にいるのが怖かったので、その日は
悪いと思いながらKさんの側には近づかなかった

 そして次の日の朝目覚めると、洗面所の方が騒がしい
急いで行ってみるとKさんが大量に吐血して絶命していた

 母は「あたしが見たのはKさんの死相だったのかもしれんね」と言っている
ほんの一瞬の顔だったけれど、言葉で言い表せないくらい不気味だったとも・・