有名作家の命日には
その作家の代表作や、ペンネームなどがつけられていることが多く

文学忌と呼び、作家の親類やファン達が故人を偲ぶ大切な日とされています。

作家の名前やペンネームがつけられている文学忌でいえば

宮沢賢治の『賢治忌』
坂口安吾の『安吾忌』
手塚治虫の『治虫忌』

などなど。
また、作品の題名に所縁がある文学忌だと

芥川龍之介の『河童忌』
太宰治の『桜桃忌』
三島由紀夫の『憂国忌』
梶井基次郎の『檸檬忌』

などがあります。


そして、新美南吉の文学忌は
『貝殻忌』
と呼ばれ、3月22日は
南吉の故郷、愛知県半田市にある
「新美南吉記念館」にファンが集い
この日のために、南吉さんにまつわる催しが開催されます。


南吉さんが、昭和9年(21歳)の12月に書かれた詩の題名からとっています。


『貝殻』 新美南吉

かなしいときは
貝殻鳴らそ。
二つ合わせて息吹をこめて、
静かに鳴らそ、貝殻を。

誰もその音を聞かずとも、
風を悲しく消ゆるとも、
せめてじぶんをあたためん。
静かに鳴らそ
貝殻を。


この詩が書かれる約10ヶ月前。
初めて喀血している南吉。

母親を結核で亡くしている彼は
自分もそう、長くは生きられないであろうと
早くから悟っていました。

29歳7ヶ月という若さで
咽頭結核で逝去しますが

彼がこの世を去って
80年が経った今も

全国のファンが
彼の残した作品に
心を支えられ
生きる糧にしているのです。





南吉童話のほとんどが
彼の地元「半田市」が舞台となっていますから
南吉ファンなら一度は訪れたい地域。

わたしも、念願かなって
貝殻忌の式典に参加して参りました。












この日、天気予報は雨でしたが
朝から見事に晴れました。


うぐいすが、ホケキョと、春の訪れを知らせる
心地の良い気候でした。


南吉さんは、お花が大好きな人でした。

参列した一人一人にお花が渡され
私も、献花させてただきました。



エントランスには
全国から集まった
南吉さんへのメッセージや絵が並びました。




大人から小さな子どもまで
やはり「ごんぎつね」の作家だけあって
多くの世代にファンがいるのですね。

さすが南吉さん!!!









(著作権法に配慮してなるべく遠目に撮影しました)


行ってよかったぁ~!
と心から思ったのは

東京にいると
なかなか
「南吉ファン」と知り合う機会がなく
(賢治ファンは多いんだけどなぁ~凝視)

半田で初めて
「南吉ファン」の方と交流させていただき

あらためて

半田は南吉の聖地✨

を実感しました。



まだまだ新参者の私。
これから南吉のことを勉強していきたい所存です!!!





そして嬉しかったのは、会場で
「とらさんのファンです❤️」
と言ってくださる方にお会いできたことです!


ちょっとビックリして
何か間違えているんじゃないかと

「南吉さんのファンじゃなくてですか!?」

と何度も聞き返してしまったのですが

私のSNSなどを見てくださり

「えっ、とらさんが愛知にくる?」と

わざわざ名古屋から、半田まで
わたくしめに会いに来てくださったというのです!!!

驚きました。

でも、私のやってきたことが
こうして、誰かの生きる力になり
それをご本人様からお伝えだける

こんな素晴らしく
 
紙芝居やっててよかった!!
生きててよかった!!!

と思うことは、まずまず
滅多にないことです!!!


本当に光栄です。





記念写真もパチリ(笑)
ご本人のご希望で、お顔はスタンプで隠させていただきました指差しキューン


いやはや、本当に嬉しかったです。


しかも、もうひとつ嬉しかったのが


念願叶って…


新美南吉記念館さんで
紙芝居ができたことです!!!



(A子様、お写真、使わせていただきました!)


この「私のファン」と名乗ってくださる
寄特な方(笑)にも、紙芝居を見ていただきたくて

「いつか、ここでも紙芝居がしたいんですよ~やれたら良いんですけどね~、ほら、ここに紙芝居もあるし~(南吉記念館に置いてある紙芝居を見て…)」なんて話をしていたら

「やりましょう!やってください!館の人に頼んでみましょう!」と、言ってくださり


南吉記念館の皆様も、本当にお優しい方で
「ぜひやりましょう!30分後で良いですか?人集めます!」

なんて、言ってくださり…




即席でこんな看板まで作ってくださり!!!
(私はこの時、一生、南吉記念館に通うと決めた(笑))


記念館に置いてある紙芝居から


・あめだま
・くじらのしま
・花の木村と盗人たち(前後編)


をやらせていただきましたニコニコ目がハートひらめき愛飛び出すハート飛び出すハート








本当に多くの方に見ていただき

中には私のように、遠征で(横浜から)来ている方もいらっしゃったり

南吉と結婚したい!!!という
生粋の南吉ファンの方々とも
お知り合いになれ、お話もでき
至福のひとときを味わいました。


「とらさんは、南吉さんのどこが好き?」


と質問され


「生い立ちが…」
  
と言ったら

「そうそう!」「そうなの!」
「背中を押してもらえるよね」
「南吉さんが見ててくれると思うと人生頑張れる!!!」など

あ~!!わかるっっっ!!!
私一人じゃなかったンだ!
嬉しい!!!

という気持ちになりました。

が、やはり


「顔!」という

イケメン南吉フェイスに需要(?)を感じる
方々も多く


イケメンて特だなぁ~

とつくづく思いました(笑)



全く余談ですが、以前

中原中也(なかはらちゅうや)ファンと
萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)ファンの方に
同時にお会いしたことがあって

各「推し」の話から
最終的に「推し」の何が好きかという話題で

やっぱり顔

って、一同が言って「そうそう」ってなったとき

すみのほうで、小声で

「いや…作家は顔じゃない…」とこぼされた
梶井基次郎ファンがいましたが

そんな光景もちらと、思い出しました(笑)


ちなみに







萩原朔太郎




中原中也







新美南吉










梶井基次郎


です。








ちなみに
本人は否定しますが
うちの夫は若いころ

梶井基次郎にそっくりでした。

梶井基次郎も南吉と同じ
結核で若くして亡くなっています。



あと10年…20年長く生きていたら…

そのときの作品も読んでみたかったなぁと思います。

人間、歳を取ると丸くなりますが
それは筆にも、良い意味で表れるのでしょうね。





今日、本当はこのブログに

「南吉と私」そして、「私と夫(結婚とは?)」を描いた漫画を載せたかったのですが

写真を多く貼りすぎて
画像をこれ以上アップできないようなので
また、後編に続きます(笑)


ここまで引き伸ばすつもりじゃなかったけど!!!!



そんなわけで、もう少し

南吉語りにお付き合いください!

それでは!!



とら