かつてオホーツク圏には今より多くの線路がありました。
その中の1つ渚滑線。
枝分かれする基点の名寄本線が既に廃線となっているので説明が難しいけど、
【ココ】が渚滑駅。そこから出てる盲腸線が渚滑線。
34.3km区間です。未成線、計画線あるあるですが、渚滑線も石北本線上川駅を目指すハナシがあったのに計画が消滅した路線です。
もしも、計画が全て叶っていたら、十勝三股からの延伸路線も含めて石北本線は重要な路線になっていたん……だべか?
その終着駅だった北見滝ノ上。夕張線にあった滝ノ上駅と区別する為に「北見滝ノ上」となりました。
大正12年11月5日開業の駅です。木材輸送を期待して敷設された路線でした。
北海道は石炭と同様木材搬出に鉄道は活躍しました。
今しか知らない人は「なんでこんな場所に鉄道があったの?」と感じるかもですが、鉄道を敷くだけの価値が石炭と木材にあったんです。人と金が集まってマチが出来ていったのが北海道開墾の歴史です。
高校時代……40数年前というか50年近く前、釧路にSTVラジオが開局。NHKとHBCしかラジオがなかった都会に新たに参入した放送を聞き入った頃、DJ河村通夫の番組に出会いました。
シンガーソングライターの河村通夫の曲に「木造りの駅」というのがあって、北見滝ノ上駅をモデルにしたと番組内で言っていたのを覚えていたので是非一度訪問したいと思っていたんです。
初めて訪問した時、木造モルタルも木造りなのか?と思ったのは20年以上30年近い昔。
河村通夫が歌を作ったのは駅が現役時代、私は廃線後の訪問。きっと廃線時に木造り駅舎は木造モルタルに変わったんでしょう。モルタルに横板貼ってるから木造り風駅舎です。
館内は備品が置かれて当時を偲ぶことが出来ます。
♪私の住む都会の部屋
話す人もいない部屋
思い出すは子供の頃
おが屑焚いたストーブ
汽車が着く木造りの駅
白髪まじりの父と母が
私の着くのを待っている
トドマツ林の家♪
ホームには貨車入れ替え用機関車が置かれ、きっと木材を積んだ貨車を何両も入れ替えていたんだべなぁと思ったり出来ます。
駅前からも芝桜公園を見られます。
案外ここからの眺めが好きなんです。
昭和60年4月1日渚滑線廃線に伴い営業終了