北海道新幹線は現在新函館北斗駅まで。一応2030年度をメドに札幌延伸に向けた工事が進められています。

 ここにきて開業「2030年」の文字が消えて、「未定」となりました。

 

 表向きは札幌市が冬季五輪誘致から撤退したからというもの。

 そもそも五輪誘致するからという圧力で4~5年前倒しした2030年開業。

 それなりの準備を整え2030年開業も可能といわれ、倶知安町のように並行在来線を新幹線開業よりも早く廃止撤去して、新たな駅前開発したいという自治体もある。

 一方余市町のように在来線存続で小樽札幌方面への通勤通学の足を残したいと模索する自治体もあります。

 代行バスとして北海道中央バスが候補にあげられていますが、一切相談されていないし乗務員の確保も難しいから廃線後の代行バスの運行は無理と、道庁が主導する並行在来線廃止の決断は難航しています。

 

 実は新函館北斗駅から札幌の区間は7割とも8割とも言われていますが、トンネル区間がやたら長い。車窓を楽しむ人には不向きな路線です。

 蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の裾野を走る函館本線山線。山を避けて伊達市や室蘭を経由する室蘭本線通称海線。この2つの路線の真ん中の山をブチ抜いて「トンネル掘ったら真っすぐ札幌じゃね?」というのが新幹線札幌延伸ルート。

 このトンネル工事、一部では進捗が2割以下と言われるものもあるとか。

 手をつけていないというのではなく、思った以上の難関で工事が先に進まないという実情。

 この工区函館側のトンネルだそうで、出来た順に長万部まででも先行開業したくても無理ということです。

 もっとも、函館側のトンネル工事が難航するのは工事開始前からわかっていました。

 高速道の工事でどれだけのことがあったか。同じ山を掘るのに工法を最新式にしてもブチ当たる課題は同じですから。

 江差線廃線前に訪問した時に新幹線延伸は無理かもねと聞いていたので、現在難航中と聞いて「やっぱり」としか思いません。

 

 さらに羊蹄・ニセコの山々のトンネル工事がこれから控えています。ここの岩盤も簡単にはいかないだろうと予測されていて、時間を要する見込みという。

 今まで五輪があるという重圧で発表できなかったことが次々露呈されてきました。

 むしろ完璧な工事ができる条件がそろったということを思うとよかったんじゃないでしょうか。

 

 北海道知事さんは積極的な廃線を推し進める人ですから、新幹線札幌延伸よりも千歳市に建設する次世代半導体工場ラピダスに強い期待を注いでいます。

 5兆円の資金投入している大事業。不手際があっては大変!ということで……。

 新幹線工事に必要な人員やら関連資材やら流出しているとか、いないとか。と聞きます。

 

 無理して2030年に開通しなくていいんだから、今はラピダス様々のご機嫌を損ねないようにネ。ということだそうです。

 知事主導で進めてきた並行在来線廃止、バス転換が根回しゼロだったことがバレてからは沿線の説明会は開催されていないので、廃線先延ばしに色々言い訳材料が揃ってきた。って感じかな。

 

 そもそもでいうと、札幌延伸という新幹線整備法が決議された当初、新幹線札幌駅は現在の札幌駅南側に予定されていました。

 当時の予定地にJRタワービルを建設したように、JR北海道が「札幌まで新幹線がくるなんて夢物語だべさ。持ってる土地腐る前に使わなきゃ損だべ」と思っていたわけです。

 「函館まで延びたから次札幌まで行くべぇ」となって「やべぇ!駅どこさ置いたらいいんだべ。とりあえず時間稼ぎするべ。なしてオリンピックなんて手あげんの?タクランケ市長。こっちの身にもなってみれっての。このホイト」というやり取りがあったかなかったかは不明ですが、JR北海道の準備不足は否定できません。

 終点札幌駅の場所が決まるまですったもんだありました。

 

 山線廃止には巨額の予算を組んでも新幹線早期開通と言ってた道庁も、ラピダスに金使うから鉄道関連に回す金なんて微々たるものしか残っていません。というトーンの物言いに変化していると聞きます。

 このままではアッチコッチに穴掘ってるだけの未成線になりそう。鉄道遺構巡りが新幹線工事現場となるのかな?

 新八雲駅予定地なんて、まだ草地のままで駅が建つなんて誰も想像できない状態とか。

 新小樽駅は現在の小樽駅から数キロ離れていてアクセスをどうしよう~と動き出している程度。

 

 ホント、10年後の北海道が心配。あの知事が鉄道嫌いだしなぁ。

 あのバカ国会議員が道庁職員や札幌市役所職員を呼び出しするときに「東京まで汽車乗ってこい!」言ってれば、年間数千万JR増収していたのに。

 よさこいソーラン。