ついでにと言っては何ですが……

 

 高校の吹奏楽部を、京都橘、滝川第二と紹介すると、やはり、ヨーロッパに頻繁に遠征し、日本の吹奏楽のレベルの高さを知らしめた早稲田摂陵高校を取り上げないと不公平です。

 

 その前に、高校生の吹奏楽のレベルの高さを書きましたが、全般的に吹奏楽の演奏曲目は、比較的簡単な曲が多いんですね。

 だから、私はプロ級と言う言葉に反発してしまったんです。

 普通にクラシックの曲を吹奏楽で弾くのは、行進があるために難しいのです。

 

 前回、滝川第二の演奏曲目にあったラヴェルの「ボレロ」ですが、実はこの皆さんにも親しまれている曲は、主旋律の繰り返しで演奏するのには、簡単な曲でもあります。

 この曲を形式で言えば、リズムから採ってボレロ形式なのですが、主旋律の繰り返しなのでフーガ形式と言えない事もありません。また、音楽用語で言う追復の意味のあるカノンとも言えます。

 つまり、一本のフルートから始まって、次から次に管楽器が追随して同じメロディーを奏でて行き、最後はかなり重厚な曲に仕上がっています。

 が、主旋律であるメロディーは同じで、それの繰り返しに過ぎません。

 

 これを技術面で言えば、非常に簡単な曲なのです。

 

 しかし、日本の高校生のレベルの高さは、その成熟度が素晴らしいと言えます。

 聴いていても、よく弾き込んでいるなぁと、感心させられます。

 

 そして、日本の高校生の素晴らしさは、橘高校に観られるように、ステップだけでなくダンスの要素を取り入れて、その運動量は計り知れません。

 そんな中でのレベルの高い演奏なので、評価が高いんです。

 ローズパレードは、9kmもステップを踏み、橘高校はそれにダンスも取り入れて、2時間半も演奏を続けるのですから、もう人間業とは思えないくらい凄い事なのです。

 オレンジデビルと呼ばれても不思議ではないですよねぇ。

 

 さて、では、早稲田摂陵高校に移りましょう。

 前回紹介したイタリアのジュリアノーヴァ国際音楽祭には、先だって早稲田摂陵高校が出場しています。

 この高校は、スペイン、フランスなどにも遠征しています。

 

 ああ、早稲田と言えば、関東の高校かと思われるかもしれませんが、大阪の茨木市です。

 と言われれば、橘高校が京都、滝川第二が神戸、そして、大阪と完全に関西の高校が……

 

 この高校も、オール女子で構成されていて、組体操やダンスの要素も取り入れています。

 一番目は去年の2月のフランスのニースでの映像ですが……。

 本来のこの高校の実力を知っているので、やや、物足りない気はします。

 

 なので、二つ目のイタリアのジュリアノーヴァの演奏をお勧めします。

 また、随分古いですが、スペインのマグダレナでの活躍もアップします。

 

 

 こちらは、イタリアのジュリアノーヴァでの模様です。

 

スペインのマグダレナでの演奏ですが、18年前の演奏で、当時は向陽台高校です。