今日から数回、ちょっと悪い口調になるかも知れません。(そして、もしかしたら以前書いた話を再度書いてしまうかも知れません。自分の過去の blog 記事を読み返す暇がないので、ご容赦ください。)
私が住む市の公民館では、利用申し込みは4週間前から公民館窓口で受け付けています。この「4週間前」という数値を見てすぐにピンときた人は、なかなか鋭いと思います。仮にこれが「5週間前」になるだけで、かなり状況が異なるのです。
ある支部 (または同好会) が、月に1回公民館を借りようとしたとします。(なお、都合により公民館の定期申し込みができないものとします。) さて、「4週間前」と「5週間前」とで何が異なるでしょうか。
この支部は、2021年8月の第1日曜日 (1日) に例会を開催し、「次回は2021年9月の第1日曜日 (5日) に開催したいなぁ」と考えます。ところが、8月1日には9月5日の申込はできないのです。
申込は対面に限定されているので、申込のために再度公民館に来なければなりません。夜間も開いてなくはないですが、責任もって対応してくれる職員さんがいないために「○○の点について、再度窓口に来てください」と言われたりします (経験があります)。
公民館の職員さんはそういうことを平気で口にするように見えます。でも、利用者にとっては負担が大きいのです。例えば、私が所属する支部には、勤労者と学生しかいません。学生が学校を休んで公民館申込に行くわけにはいかないですし、勤労者は追加で週末を1回潰すか有給休暇を取るかのどちらかでないと公民館に行けません (全員が 100% そうだ、というわけではないですが、多くの場合はそうです)。
これが「5週間前」だったら何が異なるでしょうか。そう、「5週間前」なら、翌月同一週の利用であればそのまま申し込めるのです。何という手間の違いでしょう!
そして、この「4週間前」「5週間前」の負担の差を大きく感じている人はどう行動するかというと…公民館利用を選択肢から外してしまうのです。だからといって、公民館以外に良い場所があるわけではありません。結果として、活動自体をやめてしまう方向に進みます。
公民館は、社会教育法に定めがあります。その第3条にはこう書かれています。
国及び地方公共団体は、この法律及び他の法令の定めるところにより、社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催、資料の作製、頒布その他の方法により、すべての国民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、自ら実際生活に即する文化的教養を高め得るような環境を醸成するように努めなければならない。
さて、私の市の公民館は、本当に努めているのでしょうか。「4週間前」を「5週間前」に設定することで、何か公民館が困ることが発生するでしょうか。隣市なんて、公民館は INTERNET 上で申し込めるから、とても羨ましいです。
追記しておきます。INTERNET 上の利用申込「受付」と利用申込「受理」は別物です。私が INTERNET 上で求めていることは「受付」処理であって、即時「受理」処理ではありません。そして、「受付」だけなら、Google Forms などで無料で簡単に実現できるのです。「受理」するかどうかの判断は、責任ある職員が出勤している平日昼間に実施し、その結果を後日知らせてくれれば充分です。
(多くの方には不要な説明だと思いますが、受付と受理を混同する人が時々いるので、書かせていただきました。)
出頭主義で思い出した話 (将棋とは無関係の話) も書いておきます。
昔、私が大学院生だった頃、中央アジアのとある国からの国費留学生をお世話することになりました (話せる言語の関係で、私の担当となりました)。
その留学生は、夫と共に来日して、日本で妊娠・出産し、病院や区役所の手続きもかなり私が手伝たのですが…肝心の赤ちゃんの旅券 (passport) の発行にてこずりました。留学生の国の在日大使館が「霞が関の外務省へ行って押印を受けてこい」と言ってくるのです (この国は、東京以外の都市に在日大使館・領事館を持っていません)。日本語も英語も殆ど話せない留学生が、出産直後に新生児を連れて札幌から東京まで行ってくるなんて、体力面でも金銭面でもできるはずがありません。
因みに、この留学生が自国に帰国する際、日本の外務省が用意した航空券は Lufthansa による Deutsch (ドイツ) 経由でした。いくら直行便がないからといっても、本来の距離の3倍もの経路を選ぶなんて、かなり金銭感覚がおかしいと思います。外務省は留学生本人の航空券しか用意してくれないので、夫と子どもの航空券は自分たちで用意しないといけなかったのですが、正規運賃を見たら数十万円でした (うろ覚えですが50万円くらいだったと思います)。Lufthansa でなければかなり格安な航空券が売られていたので、多分、外務省もお役所感覚で航空券を旅行会社 (恐らく西側の航空会社しか扱わない旅行会社) に発注したのだと思います。
結局、乳児の身体負担と航空券の費用負担を考慮して、私が韓国経由の航空券を手配しました。「新千歳→成田→FrankFurt→出身国」という経路が、「新千歳→仁川→出身国」という経路になり、乗り換え1回、距離も大幅短縮、運賃も数分の一になりました。