広小路将棋クラブというところの将棋教室の案内に、こんな記述がありました。
駒の動かし方から教えます
不登校の方、一般の方もお問い合わせください
今は本業があるので無理ですが、いずれは不登校児も積極的に対象に入れて普及活動をしてみたい、と考えています。
不登校児に将棋が向いていると思われる理由は、以下の通りです。
- 単なる娯楽なので、気分がのらない日は欠席して構わない (ただし、教室の場合は欠席連絡をすることが望ましい)
- じっくり考えることは推奨される行為である (挨拶以外、他人としゃべることは全く強制されない)
- 他の子ども達と仲良くなっても仲良くならなくても構わない (「孤高」という形で将棋に向き合っても構わない)
- 自宅で学習しようと思えば、学習できる素材がある
- (自分より年上で自分より棋力が低い人がいれば) 自分より年下の子に負けても恥ずかしいことではない
- 頭を使う行為なので、世間体もよく、不登校であることの罪悪感を持っていても将棋がその罪悪感を薄めてくれる (という可能性がある…私の思い込みかも知れませんが)
- 大人が多い場であれば、「学校には行っていなくても、大人の集団に参加しているんだ」という気分になれる
私自身は不登校の経験がないので、上記の理由が本当に有効かどうかは分かりません。また、「将棋が不登校を全て解決する」などという大それたことも考えていません (将棋のおかげで不登校が解決した、という事例をいくつか聞いておりますが、解決事例全体の5%にも満たないだろうと考えています)。
ただ、子ども達にはなるべく複数の居場所を用意してあげて、その中でその子その子に合う居場所を選んでもらうのが、良いことだと考えています。
本当は、同様の理由で引きこもりの大人にとっても将棋という場はそこそこ有用じゃないかと考えているんですけどね。将棋としての礼儀(*1)さえ守れば、あとはどんな変人っぷりを発揮しても構わない。対局時以外は他人と全く喋らなくてもいいし、会場の隅っこでたたずんでいても構わない。それが将棋のいいところではないかと思うのです。
(*1) 「他人に迷惑をかけない」「飲酒しない」など一般的な最低限の振る舞いも含意しています。