遅くなりましたが、7月25日に行われたWBC &WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチのスティーブン・フルトン対井上尚弥の試合の感想を書きます



このブログの予想では、6ラウンド以降の井上尚弥選手のKO勝ちか判定で井上尚弥選手の勝ちを予想していました



これはフルトン選手の戦い方で変わってくると考えていて、ある程度打ち合いに来たら6ラウンド以降の井上尚弥のKO勝ち、守備に徹したら井上尚弥選手の判定勝ちと予想していました



試合前の計量で井上尚弥選手の体はかなり筋肉がついていて、調整が成功してパワーアップしていると感じました



井上尚弥選手は普段63kgくらいあるという話で、バンタム級はもう減量が厳しかったという話だったので、スーパーバンタム級への転向はさらに強くなると思っていました



一方のフルトン選手は、フィラデルフィア出身のフィラデルフィアスタイルの選手で井上尚弥選手が初めて戦うスタイルの選手でした



ポイントアウト狙いの長いリーチと高い身長を活かしたアウトボクサーで、KO勝ちは少ないですがこれまで無敗の選手に判定勝ちしてきました



この2人の試合なので、まず井上尚弥選手がフルトン選手の防御をいかに突破していくかが問題になると思っていました



試合の序盤の印象は、フルトン選手の腰が引けて井上尚弥選手のパンチを恐れているなと感じましたし、予想よりフルトン選手が下がらず前でジャブて対応しているなと思いました



井上尚弥選手は、距離感がなかなか掴めずフルトン選手のリーチを活かした守りにパンチがいつもの試合よりキチンと当たらない印象を持ちました



それでも井上尚弥選手は、前に出ていき積極的に攻撃していたのでポイントは井上尚弥選手が1〜4ラウンドはとったと思いました



ここでフルトン選手は勝つつもりなら、前に出て攻撃する必要がありますが、前に出るという事はその分リスクが発生します



この2人のジャブの差し合いや距離の奪い合いを見ていると達人の剣豪が真剣で、様子見しながら斬り合いをしているような緊張感を感じました



ここまでパンチがうまく当たらない井上尚弥選手を見るのは珍しく、フルトン選手も並の世界王者ではなく2つのベルトを持つスーパー世界王者だと思いました



5ラウンド以降にフルトン選手が攻撃する場面が増えていき、7ラウンドはフルトン選手にポイントをつける人も結構いたと思います



ただ私はこの場面を見ながら、フルトン選手がこれだけ攻撃に出たなら隙ができて井上尚弥選手のKO勝ちもあるなと思いました



そして第8ラウンドでいきなり井上尚弥選手の左ボディジャブからの右のパンチではフルトン選手がダウンしました



その後にフルトン選手は立ち上がりましたが、井上尚弥選手がラッシュをかけてレフリーがストップして井上尚弥選手のKO勝ちになりました



井上尚弥選手の相手が効いたと思ってからのたたみかける攻撃は的確でスピードもあり、その破壊力の凄さは相変わらずだと思いました



終わってみれば井上尚弥選手の冷静で慎重な戦い方が、危なげない勝ち方につながった印象です



フルトン選手はスーパーバンタム級最強という評価の選手で、その選手にスーパーバンタム級転向して初戦でいきなり勝ったので年内の4団体統一もかなり高い可能性であると思いました



改めて思ったのは、井上尚弥選手はパワーと破壊力の攻撃力が目立ちますが、防御力もすごく高い選手で、フルトン選手と防御力でも互角だったと思います



あとはフルトン選手外国人ダウンしてその後に井上尚弥選手のラッシュで崩れ落ちてレフリーが止まるのを見て、無敗の王者がこれまで築き上げたものが一気に崩れる哀愁をすごく感じました



ただこの非情さ過酷さがボクシングの魅力で、それが大人気の格闘技の理由だと思います



フルトン選手も2つのタイトルを持つスーパー王者の実力を見せてくれたと思いますし、井上尚弥選手が特別に強い選手なんだなと改めて思いました



まさに井上尚弥選手は「日本ボクシングの最高傑作」の選手で、今後の活躍がさらに楽しみになりました



今後も井上尚弥選手を応援していきたいです