先日女流棋士の里見香奈女流五冠の棋士編入試験があり、0勝3敗の3連敗で編入試験は失敗に終わりました



今回の里見香奈女流五冠の編入試験は、本人が試験を受けるかギリギリまで悩んでの受験で本人にもかなり迷いがあったと思います



これは編入試験の3局も棋譜を見たら将棋にも表れていて、里見香奈女流五冠らしくない将棋が3局続いたと思います



この3局は初戦の相手が勝率9割超えと勝ちまくっている徳田四段でここで負けて、2戦目の岡部四段との将棋は優勢な局面を作りましたが、受けに回ってミスをしてそのまま押し切られてしまいました



3局目の狩山四段との将棋は、いいところがなく完敗して編入試験は失敗で終わりました



私の感想は重要な初戦で勝ちまくっている徳田四段と当たったのは厳しく、2局目の岡部四段との将棋は勝ちきれず3局目は精神的なプレッシャーでいいところがなく負けたという里見香奈女流五冠らしさが全然出ない編入試験だったと思います



里見香奈女流五冠は中飛車という戦法が決まっている棋士なので、相手のプロ棋士は対策が立てやすく攻め合いの終盤勝負にしないように里見香奈女流五冠の攻めを丁寧に受けて封じ込める将棋を指していたのも、試験官の棋士達の本気度を感じました



里見香奈女流五冠も30歳になって女流棋士として生きていこうという決断をしていたところに、編入試験の条件をクリアできたので話題になってギリギリまで悩んで受けたということで、研究や気持ちの準備不足だったのかなと思いました



私は最近将棋界に興味がなくて知らなかったのですが、今は男性のプロ棋士の棋戦に女流棋士はかなり参加できるようになっていて、女流棋士がプロ棋士になる意味合いもどんどんなくなっているという話も出ていました



この状況では里見香奈女流五冠は棋士編入試験にあまりモチベーションが上がらなかったと思いますし、試験官になった若手プロ棋士達は負けたら「八百長」という人もいるのですごくやりにくかったと思います



里見香奈女流五冠は女流棋士として活躍していて、女流棋士の棋戦もどんどん増えているのでそれと並行しての編入試験には無理があったのかなとも思いました



女流棋士もジャンルとして認識されてきて、プロの世界は強いだけでなく人気も重要ですが女流棋士は人気もありますし女流棋士のYouTubeも好調です



そういう状況で里見香奈女流五冠の編入試験は、将棋界にとって大きな話題作りになったので本人は乗り気ではないのに編入試験を受けるように将棋界で圧力があったかもしれないです



里見香奈女流五冠はすごく若手の頃に奨励会に入ってプロ棋士を目指そうとしたら、女流棋士の棋戦のスポンサーの関係でその当時の米長邦雄会長に止められた過去があるそうです



この頃は女流棋士が奨励会に参加するには、女流棋士の棋戦を休んで参加しなければならなかったのでタイトル保持者だった里見香奈女流五冠は、棋戦のスポンサーを考えてストップがかかったという話です



その後に女流棋士の棋戦に参加しながら奨励会に入れるように規約が変わって、里見香奈女流五冠は奨励会の編入試験を受けますがすごい優遇された特別ルールだったという話で、将棋界の都合でいろいろ振り回された過去があります



その後に里見香奈女流五冠は結局奨励会を抜けることができずにプロ棋士になれなかったのですが、今回30歳になっての編入試験はモチベーションが上がらなかった可能性があります



もちろん棋士はどんな対局でも全力で指すのが当然ですが、そこは人間なのでモチベーションは状況によって変わってくると思います



この編入試験が終わった後に里見香奈女流五冠は次もチャンスができたら編入試験を受けるか?という質問に「現時点では次はないです」というコメントに彼女の心情が表れていると思います



今回の里見香奈女流五冠の編入試験はいろいろ将棋界の事情を感じましたね