6月19日に「世紀の一戦」と言われた那須川天心対武尊の試合は、無事終わりました


結果は1Rに那須川天心選手がダウンを奪っての完勝で、キチンとした決着がついたと思います


私は両選手にあまり思い入れがないので、そういう冷静な目でこの試合に感想を書いてみたいと思います


まず試合のルールですが、那須川天心選手と武尊選手は階級が2階級〜3階級の差がある為、契約体重が大きく勝負に影響してくると思います


さらにこの試合は前日計量の後にリバウンドの体重にも制限があったので、上の階級の武尊選手の方が不利だと思いました


そして試合のラウンド数ですが、3Rで決着がつかない場合は1Rの延長でこれは日本のK-1の標準ルールですが、これはスピードとテクニックでポイントアウトを狙う那須川天心選手の有利なルールだと思います


世界レベルの格闘技の試合は、個人同士の試合ではなくコーチやジムなどのチームのチーム戦なので、このルール問題も既に戦いが始まっていると思います


これは那須川天心選手と武尊選手の団体の力関係が大きく影響する問題で、RIZINの那須川天心選手の方が強かったのかなと思いました


あとはこの試合までの準備や対策ですが、これは那須川天心選手が武尊選手の対策をキチンとしていた印象で、この差は武尊選手とあったと思います


そして試合の前の作戦ですが、スピードとテクニックで勝る那須川天心選手はポイントアウトの判定勝ち狙いで、武尊選手はプレッシャーをかけてのKO勝ちかダウンを奪っての判定勝ち狙いだと思います


そうなると那須川天心選手は、武尊選手が那須川天心のスピードやテクニックに慣れて自分が疲れてスピードが落ちる前にリードして逃げ切るのを考えると短いラウンドの勝負が有利になると思います


一方の武尊選手は、短いラウンドの勝負だと早めのダウンを奪ってのリードが必要になるので、どんどん攻めていかなければならないと思います


また武尊選手は、サウスポーが苦手ということでサウスポーでしかもスピードがすごくある那須川天心選手は、すごく戦いにくい選手だと思います


こういう状況を考えると武尊選手は、相打ち覚悟のプレッシャーをかける攻めまくる作戦だったと思います


ただ実際の試合は、武尊選手はすごく緊張して硬くなっていて、那須川天心選手は好調でリラックスした状態でした


あと武尊選手は、打たれ強いので那須川天心選手の攻撃でダウンすることはなく、相打ちで追い込む予定だったと思います


しかし那須川天心選手のジャブを武尊選手が防げず、結構被弾してしまい相打ち狙いもスピードとサウスポーに対応できず、困った状態になったと思います


そして1R終了間際に、武尊選手は力んだ大ぶりの隙を突かれて左フックのカウンターでダウンをしてしまいます


このダウンは、武尊選手が那須川天心選手の左フックが全然見えていなく不意打ちで急所にパンチをもらったので、耐えきれずダウンしてしまいました


不意打ちのパンチはダメージが大きいので、この1R終了間際のダウンで武尊選手の作戦は崩壊したと思います


そしてその後は武尊選手はなんとか打ち合いに持っていきたいけど、那須川天心選手は付き合わずに攻撃をキチンと入れてのポイントアウト狙いの試合運びで完勝しました


途中武尊選手はバッティングや投げる場面がありましたが、思い通り試合ができない焦りや苛立ちがそういう状況につながったと思います


この試合は那須川天心選手が素晴らしく、スピードとテクニックで武尊選手の力を全然出せない状況に追い込んでダウンも奪う完勝だったと思います


武尊選手の方はいろいろ誤算があったと思いますが、那須川天心選手のスピードとテクニックが予想以上ファったのに加えて、パンチの技術や破壊力も想定以上だったのだと思います


正直那須川天心選手と武尊選手は、武尊選手にとって那須川天心選手はサウスポーでスピードとテクニックがすごい選手で相性も最悪だったのが、この結果につながったと思います


また武尊選手は短いラウンドの焦りとリバウンドの体重の制限で、打たれ強さや耐久力も落ちたのもあると思います


そういう意味では、那須川天心陣営と武尊陣営のチーム力の差もルール面や試合の対策や戦力の面でも結構差があったと思います


これが2人にあまり思い入れがない私の試合の感想で、正直私はK-1の全盛期の外国人ヘビー級の試合を見ていたので、軽量級の2人の試合は迫力が感じられなかったです


それでも2人ともK-1ブームが終わった後のキックボクシングの冬の時代を支えた功労者だと思うので、この世紀の一戦が東京ドームの大会場でできたよかったと思います


この2人の今後の活躍に期待しています