最近将棋のプロ棋士を見ていて、将棋ソフトを絶対視しすぎて、頼りすぎになっていると思います


今のプロ棋士の対局の流行戦法も、将棋ソフトの評価の高いものが増えて、さらに昔の戦法や指し方が再評価されている状況です


プロ棋士がこれまで築き上げてきた価値観が、将棋ソフトによって簡単に覆させられるのを、複雑な気持ちで見ています


例えば角換わり腰掛け銀の▲4八金〜2九飛車型は木村義雄十四世名人の時代の棋譜で結構見た記憶があります


雁木戦法も右の銀の位置が△5三が△6三になっていますが、これも昔の戦法です


また矢倉戦法も先手の5手目は▲7七銀の形と飛車先の歩を早く▲2五歩と突く形が、流行っています


プロ棋士よりずっと強い将棋ソフトが現れて、プロ棋士が参考にしたら、すごく昔も戦法や形が再評価されて流行ったのは皮肉でした


ここからどういう方向に行くか予想すると、プロ棋士の将棋ソフトとの同化がどんどん進み、将棋ソフト同士の対局にどんどん近づいていくと思います


そうなれば人間同士の駆け引きがどんどん排除されていくので、プロ棋士の対局は将棋の強さや勝ちにこだわれば将棋ソフトと同化していくと思います


すごく昔に大山康晴十五世名人と升田幸三元名人が、勝ちにこだわる将棋か見ていて面白い将棋か激論があったそうですが、そういう話が現代に復活してくると思います


将棋の強さの価値はプロ棋士よりはるかに強い将棋ソフトがあるので、これからのプロ棋士には絶対的な価値観ではなくなっていくと思います


そうなるとプロ棋士に求められるのは、人間的魅力やそのプロ棋士のプロのこだわりや面白い将棋を指すなど人間性や対局の娯楽性になってくると思います


将棋ソフトの指し方を暗記して真似るレベルが高い強い将棋ソフトのような将棋より、多少レベルが低くても観る将のレベルでわかって二転三転形勢が変わるわかりやすい派手な手が多い将棋が人気になる時代になっていくと思います


これは将棋というゲームの面白さを実感できるので、こういう方向性になっていくと思います


そしてプロ棋士では1つの戦法にこだわる棋士や自分の将棋の個性にこだわる、プロ棋士としての個性を見る時代になっていくと思います


今の将棋村の状況では、15年後の藤井聡太二冠が30代前半になった頃にプロ棋士は行き詰まってしまう可能性があると思います


その頃に今の流れで行くとプロ棋士の将棋ソフトとの同化も終わっているでしょうし、藤井聡太二冠が勝ちまくっている状況も飽きられてしまうと思います


このままで行くと、自分を自己プロデュースしてブランドを作れないプロ棋士は淘汰されていく時代になると思います


藤井聡太二冠のブームで沸く将棋村も、今はそれに依存しまくりですが、それが無くなった時のことを考えないとブームが終わったら一気に衰退する可能性がかなりあると思います


今後の将棋村がどうなっていくか注目しています