先日の王座戦で羽生棋聖は王座を失い一冠になりましたが、今回の一冠になったのは今の将棋村の状況を考えるとかなり厳しいかもでしょう
今回の記事は将棋の技術面から考えて書いていきますが、今のプロ棋士は若手を中心に将棋ソフトを研究に取り入れています
今の将棋ソフトは凄く強くなり、ポナンザは現役名人に手合い違いで完勝しましたしスマホソフトもトッププロ棋士より強いと言われています
これまでの将棋の研究のデジタル化は情報収集の効率化が中心で棋譜の研究がかなり効率的にできるようになり、新手や新戦法もすぐに徹底的に研究されて使えなくなる流れでした
それが今は将棋ソフトの方が強く形勢判断もしてくれるので、将棋ソフトの指し手や戦法などの暗記をする時代でソフト同化が強くなるという事になってきました
そうなるとソフトを使って事前研究する事で序盤の指し手の定跡を覚えて時間の節約ができるようになり、ソフトで研究をしない羽生棋聖のような棋士は序盤についていくだけで時間を使うことになり苦しい展開になります
相手より序盤で時間を大幅に節約できて、さらに形勢が互角以上というのは大きなアドバンテージになると思います
さらに棋譜研究もソフトで最善手をチェックできて、その指し回しを暗記していけば強くなります
これでは棋士の対局はその棋士が必死に考えて指した手よりもソフトの指した手をいかに暗記するかの勝負になります
そうなると一番強い将棋を見たければソフト同士の対局を見ればよくなり、プロ棋士の対局の勝敗はいかにソフト同化するかの勝負になって、プロ棋士の存在意義が問われます
そこで話は渡辺竜王対三浦九段の前期のA級順位戦の将棋で渡辺竜王がフルボッコにされて大惨敗した将棋ですが、前にブログで少し指摘しましたが、ソフトの事前研究の成果の可能性が高いと思います
あの事件の時に私はソフト不正と記憶力が物凄いプロ棋士のソフトの指し手の暗記は区別がつくのか?という事をブログに書きましたが、これからのプロ棋士の対局はさらにソフト同化していくので区別はつかなくなると思います
そして今期は0、88の勝率を誇る豊島八段が前に電王戦でソフトを研究でフルボッコにした将棋を見た時に、テレビゲームの攻略法を見ているようだと感じましたが、これからのプロ棋士の将棋はゲームの攻略法のような将棋が増えていくと思います
この環境で一冠のなった羽生棋聖は研究にソフトを使っても若手棋士には太刀打ちできない可能性が高いと思います
まさに三浦九段の事件で丸山九段が言った「コンピュータに支配される世界はまっぴらごめんです」が現在進行形になっています
もはやプロ棋士同士の人間味あふれる戦いはどんどん減っていき、将棋の醍醐味の棋風や人間心理の駆け引きも消えていく流れで将棋の面白さがどんどん失われていくと思います
まさにコンピュータに支配される世界が目の前にきているということで、プロ棋士の存在意義が問われてくるでしょう